ほおに手を当てると吸いつくようにしっとり
皆さんは「疲れたなぁ」というとき、どうしていますか?
コンサートツアーが始まると、毎日全力投球です。私は、ツアーが始まる前日くらいから酢納豆を食事の中心にします。そうすると、疲れを持ち越さずに済み、毎日最高の状態でステージに立つことができるのです。
「歌う」という仕事には、かなりのエネルギーが必要です。「がっつり食事をとらないと声が出ない」というかたもいらっしゃいますが、私の場合、満腹になると、声が出にくくなるので、ステージが終わるまで、ほとんど食事をしません。
とはいえ、あまりにも空腹では、2時間立ちっぱなしで20曲歌い続けることはできません。
そこで酢納豆です。朝、酢納豆を食べておけば、ほどよく空腹感が治まり、最後まで全力で歌うことができます。
酢と納豆は、子供のころから大好物でした。私は福岡の出身ですが、実家の食卓には、普通に納豆が上っていました。酢も大好きで、炒め物や焼きそばにジャバジャバかけます。
ただ、納豆に酢を入れるようになったのは、ここ1年くらいです。テレビや雑誌で酢納豆が頻繁に取り上げられるのを見て、「いいかもしれない」と思い、すぐ取り入れました。
酢納豆の効果として実感しているのは、肌の変化です。私はもともと乾燥肌で、すぐに肌がかさついてしまうのですが、酢納豆を食べ始めてから、常に肌がしっとり潤うようになりました。ほおに手を当てると吸いつくような感じで、メイクののりも格段によくなったのです。
また、酢納豆を食べると、翌日、明らかに体が軽くなっているのもわかります。
酢納豆の作り方
では、私の酢納豆の作り方をご紹介しましょう。
納豆1パックに、添付のたれを半分と、納豆がひたひたに隠れるくらいの酢を入れます。そこに、細いスティックシュガー2分の1本分の砂糖を加え、混ぜるのです。酢の物のようでほんとうにおいしいので、ぜひお試しいただきたいと思います。
納豆にダイコンおろしと ポン酢を混ぜても美味
ふだん、楽屋の弁当を食べることが多く、どうしても栄養が偏りがちです。それをサポートしてくれるという点でも、酢納豆はありがたい存在です。
私は、父の影響で、物心ついたときから演歌を聴いて育ち、小学生のときにはすでに「演歌歌手になろう」と決めていました。念願かなった今は、毎日が幸せです。
自分が幸せなだけでなく、私の歌を聴いてくださるお客様、ファンの皆様にも幸せになっていただきたい。ですから、最高の声とパフォーマンスでお目にかかれるように、日々努力しています。
体調管理は自己責任。常に自分の体の声を聴くようにしています。
「腰に張りがある」「のどの調子がいつもと違う」といった体の変化に敏感になり、重症化する前にケアをします。「気のせい」などといって放置すると、悪化してしまいます。
かといって、徹底し過ぎもよくないと思います。常にマスクでのどを保護したり、体にいい物だけを食べるために会食を断ったりしていると、逆に体が弱くなる気がします。
いろんな物をおいしくいただき、酢納豆で健康を維持する、というのが、私の体づくりの基本です。
納豆と酢は、コンビニやスーパーで買えるので、全国どこへ行っても入手可能です。地方へツアーに出ると、すぐに現地で納豆と酢を購入するのが、最近のお約束になっています。
自宅ではもっぱら、黒酢を使います。以前、ファンのかたから黒酢をいただいて以来、すっかり黒酢ファンなのです。
また、丼に半分ほどのダイコンおろしに納豆を2パック入れ、ポン酢をかけて食べることもあります。おいしくて満腹感があるのに、胃にもたれず、むしろスッキリします。これはお勧めです。酢のかわりに、モズク酢を納豆に入れて食べることもあります。
このように、酢と納豆の黄金コンビが、私の元気の源となっているのは間違いありません。
発酵食品やヌルヌル食品との組み合わせもお勧め(日本薬科大学学長・丁 宗鐵)
生き馬の目を抜く芸能界で、心身を健康に保つのは並たいていのことではありません。体調の変化を敏感に察知し、病気を未然に防ぐ心がけは、ほんとうにすばらしいと思います。
北山さんのように、酢の種類を替えたり、加える具材にバリエーションをつけると、飽きずに続けられ、酢納豆の健康効果が現れやすくなります。キムチやぬか漬けなどの植物性乳酸菌の発酵食品や、オクラやヤマイモ、メカブといったヌルヌル食品を、酢納豆と組み合わせるのもお勧めです。
北山たけし
1974年、福岡県柳川市出身。幼児期から演歌を習い、9歳のときに「ちびっ子のど自慢」で優勝。21歳で北島三郎の内弟子となり、2004年、『片道切符』で新人賞を総なめにする。圧倒的な歌唱力と端正なルックスで、幅広い年齢層の男女から支持を集めている。大人の男の雰囲気を、優しく力強く歌い上げる『アカシアの街で』が好評発売中。