行動のコツをつかめばらくに糖質制限ができる
ごはんやパン、麺類などの主食を控え、おかずを中心に食べる糖質制限食。慣れるまでは、「ごはんを食べたい!」という衝動に駆られたり、口寂しくなったりするかもしれません。
しかし、食事に対する意識や日常の行動を少し変えると、糖質を控えることに抵抗がなくなり、無理なく糖質制限食に取り組めるようになります。
そこで、日頃、患者さんにアドバイスしている、糖質制限を成功させるコツを、お教えしましょう。
1.できるだけ買いだめしない
お菓子やアイスクリームなど、買いだめするものには糖質が多く含まれています。なんとなく食べてしまう人は、買いだめしないことで糖質の過剰摂取も、間食も防げます。
非常食を備蓄する場合も、注意が必要です。
糖質の多いカップラーメンやパスタ、うどんなどは避け、チーズやナッツ、水などを備蓄しましょう。糖質の少ないチーズやナッツは、非常時だけでなく、口寂しくなったときのお助け食品です。
2.糖質を取り過ぎたら次の食事で調整する
三食のどこかで糖質を取り過ぎたときは、次の食事を抜く、または糖質を減らすといった調整をするといいでしょう。1日の食事全体をみて、糖質制限ができていれば大丈夫です。完璧さを目指すとストレスがたまり、「もうやめた!」となりかねません。

3.おやつ、デザートを習慣にしない
糖尿病が重症の人を除けば、たまに、おやつやデザートを食べるのは構いません。
しかし、3時のおやつや食後のデザートを習慣にすると、どうしても糖質を取り過ぎてしまいます。たまの楽しみにしましょう。
4.夕方以降は糖質を避ける
夜、糖質を取ると、寝ている間に内臓脂肪がたまります。主食だけでなく、たまに食べるおやつやデザートも、夕方以降に取るのはできるだけ避けます。
5.「ごはん」を頭から消す
糖質制限の足をひっぱる要因の一つに、「食事にはごはん(お米)を食べるもの」という刷り込みがあります。この刷り込みを取り払う方法は、「朝ごはん」「昼ごはん」「夜ごはん」という言い方をやめ、「朝食」「昼食」「夕食」という言い方に変える習慣を身に付けます。
言葉を変えることは意識改革につながり、「食事でごはんを食べない」という行動の変化に結びつきます。
6.主食と副食のイメージを替える
体に必要なエネルギーの重要度から考えると、主食とされるごはん、パン、麺類などは「副食」、または「嗜好品」と考えたほうがいいと思います。
一方、副食といわれている「おかず」を主食と考えることで、糖質制限をベースにした良好な食事スタイルを習慣にすることができます。
7.外食や弁当で残すなら主食
外食や弁当(特に駅弁)は、ごはんの量が多いものです。にもかかわらず、「お米は残してはいけない」と日本人の多くが認識していることから、おかずは残しても、ごはんを全部食べている人が多いのです。残すならごはんにしましょう。
8.時には捨てる勇気を持つ
食事を捨てるなんてバチがあたる、という考えはもっとですが、この考えが肥満や糖尿病など生活習慣病の一因になっています。
食事を作り過ぎた、弁当や外食の量が多いといった場合は、時に「捨てる勇気」を持つことが大切です。