【自分で治す】繰り返す切れ痔、いぼ痔を改善 即効「肛門カイロ」を医師が解説

【自分で治す】繰り返す切れ痔、いぼ痔を改善 即効「肛門カイロ」を医師が解説

突然ですが、問題です。痔になりやすいのはどんな職業の人でしょうか?痔は、ほかの疾患と異なり、恥ずかしさから、どうしても受診をためらいがちです。だからこそ、ふだんから痔になりにくい生活を心がけ、セルフケアに努めることが大切です。患者さんにお勧めしているのが「肛門カイロ」です。【解説】草間香(草間かほるクリニック院長) 


切れ痔の原因は便秘の裂傷、いぼ痔も固い便が原因のことも

 突然ですが、問題です。痔になりやすいのは、どんな職業の人でしょうか?


 答えは、男性なら、タクシーやトラックのドライバー。女性なら、スーパーのレジ係や、デスクワークの事務員です。共通しているのは、同じ姿勢を長時間取り続けるという点です。立ち仕事にしろ座り仕事にしろ、長時間同じ姿勢でいると全身の血行が悪くなり、お尻の血行も当然悪くなります。
 肛門周辺の静脈に血液がたまると、それが引き金となり、肛門の内や外に、イボ痔(痔核)ができやすくなるのです。

 切れ痔の場合も、原因の根本には血行不良があります。血流が悪いと、腸の機能が低下。便秘になると、かたい便が肛門を通る際に裂傷が生じます。下痢も同様で、水様便が高い頻度で出ると、やはり肛門が切れてしまいます。こうした肛門の傷が、切れ痔を招くのです。また、かたい便は、イボ痔の原因にもなります。強くいきむことで、肛門周辺の血管に負荷がかかるからです。

 ですから、痔の予防と改善のためには、
●血行をよくする
●よい排便習慣を身につける

 この二つが重要となります。

痔は受診しづらいからこそセルフケアが大切!

 痔は、ほかの疾患と異なり、恥ずかしさから、どうしても受診をためらいがちです。だからこそ、ふだんから痔になりにくい生活を心がけ、セルフケアに努めることが大切です。
 そこで私が、患者さんにお勧めしているのが、使い捨てカイロを肛門に当てるというセルフケアです。やり方は、生活パターン別に、2種類あります。

痔のセルフケア「肛門カイロ」のやり方

❶下着の上からカイロを貼る
 この方法は、立ち仕事が多い人向けです。まず、低温ヤケドを防ぐため、下着を複数枚重ねて着用しましょう。肛門の位置を確認したら、その上からカイロを貼ってください。
❷カイロの上に座る
 こちらは、座り仕事が多い人にお勧めの方法です。イスの上にカイロを置いて座ります。
 ①②いずれも、熱過ぎると感じたらカイロを外しましょう。また、肛門周囲腫瘍や痔ろうを患っている人は、行わないでください。

違和感や腫れ、痛みの軽減に効果を発揮!

 カイロの温熱作用により患部の血行が促されることで、違和感や腫れ、痛みなどの軽減に効果を発揮します。早い人なら、1~2日で効果が現れるでしょう。痔の手術をした患者さんには、痛み止めの薬を処方しますが、術後すぐに肛門を温めたところ、飲まずに済んだケースもあるほど、よく効くのです。

内側からのセルフケアも取り入れる

 外側からのみならず、内側からのセルフケアも重要。栄養バランスのよい食事を、3食きちんととってください。

 腸の動きをスムーズにするためには、水分補給も大切です。刺激の少ないお茶やスープなどで、1日に1・5~2ℓの水分をとるよう勧めています。もちろん、アルコールは別ですよ。

 排便のタイミングは、特に腸が活発に動く朝食後が理想的。時間に余裕を持ち、便意を逃さないようにしましょう。5分くらいトイレでがんばっても出ないときは、いったんあきらめて仕切り直してください。温水洗浄便座を使う場合、水圧は弱め、水温は水か、ぬるま湯で。お尻の皮膚はデリケートです。シャワーを当てる時間は、10秒以内にしましょう。

 これらの方策を試しても症状が改善されなかったり、不安に感じたりするようなら、迷わず専門医を受診してくださいね。

「水分補給も大切」と草間先生

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


目安は下痢の期間【潰瘍性大腸炎とは】 ほとんどが薬物療法 手術でも人工肛門は回避が主流

目安は下痢の期間【潰瘍性大腸炎とは】 ほとんどが薬物療法 手術でも人工肛門は回避が主流

潰瘍性大腸炎では一般に、薬物療法が行われますが、場合によっては大腸を摘出する手術が行われることがあります。従来は手術後、人工肛門を余儀なくされていましたが、近年では肛門を温存し、自然に近い排便機能を維持する手術が主流になっています。【解説】木村英明(横浜市立大学附属市民総合医療 センターIBDセンター部長)


【便の臭いがきつい】便が漏れる 対策は出残り便秘 痔のホワイトヘッド手術の後遺症が原因

【便の臭いがきつい】便が漏れる 対策は出残り便秘 痔のホワイトヘッド手術の後遺症が原因

痔のホワイトヘッド手術の後遺症に対しては、修復手術が行われる場合もあります。ただし、手術が必ずしもよい結果を招くとは限りません。便もれやべたつきなどの症状は、肛門付近に便があるから起こると私は考えています。排便時に出しきれなかった便が、肛門付近に残っているのです。【解説】佐々木みのり(大阪肛門科診療所副院長)


便が出そうなのに出ない違和感【残便感とは】 原因は大腸がん・直腸性便秘・内痔核

便が出そうなのに出ない違和感【残便感とは】 原因は大腸がん・直腸性便秘・内痔核

トイレで便を出した後、なんだか出きっていない感じや、お尻に違和感がありませんか?これを「残便感」といい、排便したにもかかわらず便が肛門の奥に残っているような感じがして、「まだ出そう。でも出ない」といった感覚のことを指します。残便感が起こる主な原因は三つあります。ご紹介しましょう。【解説】平田雅彦(平田肛門科医院院長)


【直腸性便秘】便を出す効果的な方法「考える人のポーズ」 大腸肛門科専門医が実験で確認

【直腸性便秘】便を出す効果的な方法「考える人のポーズ」 大腸肛門科専門医が実験で確認

便秘は①大腸の動きが遅く便がなかなか直腸まで下りてこない②便は直腸まで下りてきているが、うまく排出できない の2タイプです。②を「直腸性便秘」と呼びます。便意を感じにくくなる、便が非常に硬くなる、残便感がある、排便時に痛みや違和感があるなどの特徴があります。【解説】高野正太(大腸肛門病センター高野病院肛門科部長)


【便秘を改善】腸内環境を整える「足の裏もみ」 揉んでる最中から便意を感じた!

【便秘を改善】腸内環境を整える「足の裏もみ」 揉んでる最中から便意を感じた!

皆さんのなかには、食事や運動に気を配ってもお通じがよくならない、という人も多いのではないでしょうか。これは、腸から脳への指令がうまく伝わっていないことが考えられます。【解説】劉勇(コリトレール治療院総院長・鍼灸師・医学博士)


最新の投稿


【へそさすり体験談】起床時にピリピリ、日中はジーンとする腰痛を「腸」から改善できた

【へそさすり体験談】起床時にピリピリ、日中はジーンとする腰痛を「腸」から改善できた

私が腰の痛みを感じるようになったのは、昨年の暮れからです。どういうわけか、いきなり腰が痛くなったのです。それからは、常に重だるい感覚が腰周辺にありました。【体験談】遠藤裕子(仮名・66歳・理容師)


水虫やカンジダを防ぐ!正しい足の保湿ケアとマッサージ方法

水虫やカンジダを防ぐ!正しい足の保湿ケアとマッサージ方法

皆さんはお風呂から上がったとき、足をしっかり拭いていますか。水分が皮膚に残ったままだと、その水分が蒸発するときに熱を奪い、皮膚が乾燥しやすくなります。また、指の間に水分が残っていると不衛生になり、湿疹ができたり、白癬菌やカンジダなどの感染の温床になったりします。【解説】高山かおる(済生会川口総合病院皮膚科主任部長)


【注目の断食】ミネラルファスティングで腸内環境を改善!月1回でも健康的に痩せる

【注目の断食】ミネラルファスティングで腸内環境を改善!月1回でも健康的に痩せる

ミネラルファスティングは、断食前後や日頃の食事、生活習慣までを含めたトータルパッケージの健康プログラムとなっています。行う前や行った後も穀菜食を続けていれば、60兆個の細胞が正しく働くための環境整備に役立ち、ひいては「腸の掃除力」も高まっていくわけです。【解説】山田豊文(杏林予防医学研究所所長)


ハチミツのダイエット効果は「夜」寝る一時間前に飲んで17kgやせた!

ハチミツのダイエット効果は「夜」寝る一時間前に飲んで17kgやせた!

「どうにかしなければ!」10年前、私は人生で最大の「85.6kg」という体重になってしまい、焦りました(身長は173cm)。始めて半年くらいは、ほとんど体重が変わりませんでした。ところがその後は、毎晩、寝ている間に、必ず0.5~0.7kg減るようになったのです。【体験談】芳賀靖史(翻訳家・58歳)


厚い爪・白い爪は水虫の可能性!爪白癬の治療法と予防について皮膚科医が解説

厚い爪・白い爪は水虫の可能性!爪白癬の治療法と予防について皮膚科医が解説

爪白癬は、中高年を中心に日本人の10人に1人はかかるポピュラーな病気です。単独で生じることもありますが、多くは足の水虫と合併します。白癬菌は、高温多湿な環境で繁殖します。気温と湿度が上がる今の時期は、通気性のいい靴下をはくなどして、足の風通しをよくしましょう。【解説】野田真史(池袋駅前のだ皮膚科 )