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【便秘解消にきな粉の効果】イボ痔や切れ痔の改善に

【便秘解消にきな粉の効果】イボ痔や切れ痔の改善に"きな粉牛乳" 作り方は簡単

痔の主原因は便秘です。固くなった便が肛門を傷つけ、それが痔の原因となります。便は、強いアルカリ性の老廃物です。便秘によって肛門が傷つけられると、そこから細菌が入って炎症を起こすのです。痔の予防には便秘を解消することが大切。そこでお勧めは、牛乳にきな粉を入れて飲む、きな粉牛乳です。【解説】平田雅彦(平田肛門科医院院長) 

痔を引き起こす最大の要因は便秘

 痔を引き起こす最大の要因が便秘です。

 かたくなった便が肛門を傷つけ、それが痔の原因となります。もともと便は、強いアルカリ性の老廃物です。便秘によって肛門が傷つけられると、その傷口から細菌が入って炎症を起こすのです。しかも、便秘でトイレの時間が長くなると、必要以上におなかに力を入れていきみます。このときの腹圧は200㎜Hg以上。脳の血管なら破れてしまうような圧が、肛門周囲の血管にかかります。これも痔を誘発する要因となります。

 痔にならないためにも、また、できてしまった痔を悪化させずに、快方へ導くためにも、便秘を解消し、毎日いい排便をすることが大切です。

 ちなみに、下痢ならだいじょうぶかというと、実は、下痢もよくありません。下痢の水様便が激しくなると、これも肛門粘膜を傷つけ、そこから便が染み込み、炎症を起こすからです。

具だくさんみそ汁や煮物で野菜摂取量を増やそう

 便秘解消のため、最も重要なのが食事です。特に腸を刺激し、同時に便の材料ともなる食物繊維の摂取は欠かせません。食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維があります。

 不溶性食物繊維は、穀類、野菜、豆類、イモ類などに多く含まれています。便のかさを増やして腸管を刺激し、腸のぜん動運動(便を先へ送る動き)を活発化して便秘を解消します。便とともに有害物質を排出する働きもあります。

 水溶性食物繊維は、果物や納豆、海藻類(ワカメ、ノリ、コンブなど)に多く含まれています。便をやわらかくして、滑りをよくし、スムーズに便を外に出すのに役立ちます。また、腸内でビフィズス菌を増加させて、腸内環境を整え、便秘や下痢を抑制する効果もあります

 不溶性と水溶性の両方の食物繊維を、バランスよくとることが大切です。また、毎日、自分が食べている食品に食物繊維がどれくらい含まれているか、おおよその量をチェックしながら食事をするといいでしょう。日本人の食物繊維の必要摂取量は、1日当たり男性19g以上、女性17g以上です。しかし、この量を生野菜サラダだけでとろうとすると、難しいかもしれません。トマトなら10~20個、キュウリなら20本以上が必要です。

 そこで、私は野菜を加熱して、かさを減らし、摂取できる食物繊維量を増やすことをお勧めしています。煮物、具だくさんのみそ汁やスープなどです。

 そして私が、便秘解消のために患者さんに必ずお勧めしているのが「きな粉ドリンク」です。

便秘解消にお勧めの「きな粉ドリンク」

  きな粉は、100g中に、16・9gの食物繊維を含んでいます。これは、全食品中でも、トップクラスの量。きな粉大さじ1杯(約10g)で、1・69gもあります。食物繊維が豊富といわれている玄米ご飯の約1杯分、白米なら約3杯分です。
 しかも、きな粉は、不溶性と水溶性の両方の食物繊維がバランスよく含まれている点も優秀です。

きな粉ドリンクの作り方

便秘を解消して痔が改善する人も少なくない

 朝、起き抜けに、コップ1杯のきな粉ドリンクを飲む習慣をつけましょう。空っぽの胃に飲食物が入ると、その刺激が自律神経(意志とは無関係に血管や内臓をコントロールする神経)を通じて大腸に伝わり、ぜん動運動を起こします。これが、「胃・結腸反射」という現象です。これによって、強い便意が引き起こされます。
 それに加えて、きな粉の不溶性と水溶性の両方の食物繊維の働きで腸の動きが活性化するので、この点でも便通を促進してくれます。

 腸内環境をよくするためには、ほかにも善玉菌を増やす食生活を心がけることが重要です。善玉菌を増やすための食品としては、発酵食品のみそやぬか漬け、納豆、甘酒などがあり、オリゴ糖を多く含むゴボウやタマネギなどもお勧めです。きな粉ドリンクを飲んで、腸内環境をよくする食事を意識してとっていれば、便秘を解消し、痔の症状が改善する人も少なくありません。

 きな粉ドリンクは、簡単に作れて続けやすい点も優れています。寒い季節は、きな粉ドリンクを温めて飲んでもいいでしょう。痔でお悩みの人は、早速今日からでも始めてみてはいかがでしょうか。

解説者のプロフィール

平田雅彦
1981年、筑波大学医学部専門学群卒業。1985年、社会保険中央総合病院大腸肛門病センターに入り、大腸肛門科の臨床経験を積む。現在は、平田肛門科医院の3代目院長。著書に『痔の9割は自分で治せる』(マキノ出版)など多数。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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