一晩に4~5回もトイレに起きて寝た気がしない
私は若いころから頻尿の傾向がありました。姉や母に比べて、いつもトイレに行く回数が多かったのです。
それがひどくなったのは、5年くらい前からです。2時間おきにトイレに行きたくなり、行かないと落ち着きません。
ですから、外出したときなどは、いつもトイレのことが気になります。私は書道を習っています。教室は2時間程度ですが、その間に、必ず一度はトイレを借りなければなりません。
また、夜間はというと、一晩で4~5回はトイレに起きていました。特につらいのは、冬の寒い時期です。起きたくありませんし、起きれば体が冷えてまたトイレに行きたくなります。これでは寝た気がしません。
なぜこんなにトイレが近いのか、実は私なりに思い当たるふしがあります。
7~8年前、母の介護のために、家から山口県の実家まで、電車を乗り継いで通ったことがあります。電車のトイレは汚いので使いたくなく、いつも尿意を催す前に、トイレのあるところで用を足していました。
しかし、最近読んだ本によると、尿意が現れても我慢して、トイレに行く時間を延ばすと、膀胱に尿をためる訓練になり、頻尿を治すことができるそうです。当時、それほど行きたくもないのにトイレに何度も行って、膀胱にへんなクセがついたのかもしれません。
尿意を抑える緊急ツボで下着をぬらす失敗は減少
1年前、頻尿で困っていることを、鍼治療をしていただいている内田輝和先生に相談しました。すると、内田先生が、頻尿に効くツボを押しながら行う「腰ツボ体操」を教えてくれました。
腰ツボ体操は二つあります。背中の三焦兪というツボを押しながらフラフープをするような感じで腰を回す体操と、骨盤の上の仙骨孔というくぼみを押しながら腰を反らす体操です。
私は体操をやり忘れることがないように、トイレを済ましたあとに、体操を行うようにしています。こうすれば、やり忘れることはありません。
私は、まず腰を回す体操を左右に5回ずつ行ったあと、腰を反らす体操を10回行います。わずか1分で終わります。
腰ツボ体操の効果
腰ツボ体操の効果は、夜間頻尿には早く現れました。1ヵ月も経たないうちに、夜中にトイレに起きる回数が2回で済むようになったのです。
体が冷えたり体調をくずしたりすると、またトイレが近くなることもありますが、体操を続けているうちに、だんだん回数が減ってきました。
ときには2回のこともありますが、今はだいたい夜中に1回で済んでいます。よく眠れるようになり、一日の生活が気持ちよく始められるようになりました。
一方、日中のトイレに行く間隔も徐々に長くなりました。3~4ヵ月はかかりましたが、書道教室でトイレをお借りすることもなくなりました。
このように頻尿はよくなってきました。しかし、急な尿意に襲われトイレに間に合わないことがあります。内田先生に相談すると、尿意を抑える緊急ツボを教えてくれました。
尿意を抑える緊急ツボ(中渚)のやり方
それは手の甲の薬指と小指のつけ根にある、中渚というツボです(下の図参照)。そこを強めに押すと尿意が和らぎ、下着をぬらす失敗は少なくなりました。
いよいよ冬本番となります。今のまま、夜中のトイレが治まっていてくれればいいなと思っています。

自律神経を整えて排尿機能を正常化(倉敷芸術科学大学教授 内田輝和)
腰ツボ体操は、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓をコントロールする神経)を調整し、排尿機能を正常にして、頻尿に効果を発揮します。滝森さんのように習慣づけて、やり続けることが大事です。
手の甲にある中渚というツボは、急に尿意を感じたときに押すと、尿意を緩和することができます。尿もれを防ぐ緊急ツボとして、覚えておくと便利です。