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今さら聞けない【自律神経とは?】乱れ判別チェックリストと自律神経失調症の治し方

今さら聞けない【自律神経とは?】乱れ判別チェックリストと自律神経失調症の治し方

生涯にわたって、昼も夜も休まず、心臓の拍動や、消化などの生命活動を維持してくれている全自動システムが「自律神経」です。「自律神経って何?」ということから、今日からはじめたい「自律神経を整える」生活術までご紹介します。【解説】岩瀬敏(愛知医科大学生理学講座教授・神経内科医師) 


解説者のプロフィール

岩瀬 敏
1980年、名古屋大学医学部卒。名古屋第二日赤病院にて研修。神経内科勤務後、名古屋大学環境医学研究所で環境神経生理学、宇宙医学研究に従事。1990年、スウェーデン・イェーテボリ大学生理学客員研究員を経て、名古屋大学助教授、愛知医科大学助教授となり、2007年同教授。医学博士。重力環境、温熱環境の変化に対する交感神経反応の研究や宇宙医学における人工重力研究を行っている。

いまさら聞けない!「自律神経」ってなんですか?

1)排便や発汗、呼吸や心拍をコントロールしている

 私たちの体には、体性神経と自律神経という2つの神経があります。体性神経は、自分の意志で制御できる神経で、自律神経は、自分の意志では制御できない神経です。
 自律神経は、主に内臓や血管の働きをコントロールしています。具体的には、排便、排尿、生殖活動、呼吸、心拍、血管収縮、体温調節、発汗、嚥下といった生命活動に、深く関わっています。

2)「活動」は交感神経、「休息」は副交感神経

 自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。交感神経は活動的になるときに優位になり、副交感神経はリラックスするときに優位になります。
 例えば、排便機能なら、便を溜めるのは交感神経の働きで、便を排出するのは副交感神経の働きです。つまり、交感神経と副交感神経の両方が、バランスよく働くことで、私たちの生命活動は支えられているのです。

車で例えるなら、アクセルが交感神経で、ブレーキが副交感神経。自律神経は、アクセルとブレーキを交互に使って、内臓や血管の働きをコントロールしている

あなたは大丈夫?「自律神経バランス」チェックシート

気になる!自律神経が乱れるとどうなる?

1)交感神経と副交感神経のメリハリがなくなる

 自律神経は、日中は交感神経が優位になり、夜から朝にかけては副交感神経が優位になるというように、自然のリズムに合わせて、交互に働きます。しかし、現代人は不規則な生活を送りがちで、交感神経と副交感神経のメリハリが、乱れやすくなっています。例えば、夜にベッドに入ってから、なかなか寝つけないのは、副交感神経が働いていない証拠です。

2)現代人に多い交感神経の高ぶり

 交感神経と副交感神経のメリハリがなくなると、暑いときに汗をかけなかったり、寒いときに体が温まらなかったりと、体温や血圧の調節にも影響します。
 現代人に多いのが、いつも交感神経が高ぶって、副交感神経がしっかりと働かず、休息モードになれないパターンです。この状態が続くと血流が悪くなり、高血圧、肩こり、便秘、頭痛など、全身の不調につながります。

寝つきが悪いのは、副交感神経が働くべき場面で、働いていない証拠で、自律神経のメリハリが効いていない状態

今日からはじめたい「自律神経が整う」生活術

1)ストレス対策を心がける

 自律神経のメリハリを乱す、最大の原因はストレスです。私たちは、強いストレスを受けると、脳の最高中枢である前頭前野の働きが低下します。すると、自律神経を支配している脳の「視床下部」にも悪影響があり、交感神経と副交感神経の働きが乱れます。そのため、ストレス対策が最重要なのです。

ストレスは、脳にある自律神経の司令塔(視床下部)に悪影響を及ぼし、交感神経と副交感神経のメリハリが失われることに

2)就寝前のスマホ、休日の寝だめはNG

 自律神経は、体内時計に大きく左右されます。深夜にテレビやスマホを見たり、寝る前に食事をしたり、休日に寝だめしたりするなど、不規則な生活を続けると、体内時計が狂ってしまうので要注意です。

3)運動と睡眠で自律神経にメリハリ!

 自律神経は、自然界のリズム(外側のリズム)と、体内時計(内側のリズム)が同調していれば、問題なく正常に働いてくれます。

 しかし、ストレスや過重労働、不規則な生活が、外側と内側の同調を狂わせ、自律神経のメリハリを乱すのです。つまり、自律神経のメリハリを取り戻すには、まず生活にメリハリを取り戻し、ストレスをうまく受け流すことが重要です。

 メリハリのある生活のポイントは、運動と睡眠です。運動は交感神経、睡眠は副交感神経が主体。両方の時間を確保すれば、自律神経のメリハリが回復しやすくなります。運動は、ウォーキングがお勧めで、早歩きで1日10分を3回、歩数なら8,000歩が目安です。睡眠は1日7時間以上、日付が変わる前に眠りましょう。

生活にメリハリを取り戻すことで、自律神経のメリハリも回復する。そのきっかけになるのが運動と睡眠だ

4)夜の深呼吸で 体がリズムを思い出す

 運動と睡眠のほかに意識してもらいたいのが、呼吸です。普段から、呼吸が速くなっていないか気をつけて、ゆったりとした呼吸を意識的に行いましょう。深い呼吸は、副交感神経を優位にします。

 いつも交感神経が高ぶっている現代人にはぴったりです。「ゆったり呼吸」を、就寝前に行うことをお勧めします。この呼吸法を続ければ、「昼は交感神経」「夜は副交感神経」という本来のリズムを、体に覚え込ませることができます。(ゆったり呼吸のやり方は下図参照)

5)1日の段取りを立て明日できることは今日やらない

 ストレスを受け流すのに有効なのが、1日のスケジュールを立てることです。仕事や家事の段取りをしないと、今日やるべきことがはっきりしません。それでは、やることに終わりが見えず、いつも時間に追われているような心理状態になってしまいます。

 1日や1週間の段取りを立てることが、活動と休息のメリハリを生みます。「明日できることは、今日やらない」といった、ゆったりとした心構えもたいせつです。

1日の始まりに段取りを立てて、やること・やらないことを決めれば、ストレスは小さくなる

<寝る前に1回やるだけ>自律神経のメリハリ回復!「ゆったり呼吸」のやり方

①仰向けに寝てひざを立て、胸の上に手を置く。胸が膨らむのを意識しながら、8秒かけて鼻からゆっくり息を吸い込む

②胸がしぼむのを意識しながら、8秒かけて口からゆっくり息を吐く。①〜②を5回繰り返す

③同じ姿勢のまま、おなかの上に手を置く。おなかが膨らむのを意識しながら、8秒かけて鼻からゆっくり息を吸い込む

④おなかがへこむのを意識しながら、8秒かけて口からゆっくり息を吐く。
③〜④を5回繰り返す

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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