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【カリスマ医師が実証】頭痛・肩こりは、指をそらすだけで解消できる!

【カリスマ医師が実証】頭痛・肩こりは、指をそらすだけで解消できる!

私は麻酔科医としての経験を生かし、ペインクリニックを開業しました。ペインクリニックは、痛みを緩和して、生活の質を維持・向上するのが目的です。肩こりや腰痛、ひざ痛など慢性的な痛みや、こりの解消に欠かせないのが、実は「血流をスムーズにする」ことなのです。【解説】富永喜代(富永ペインクリニック院長)

解説者のプロフィール

富永喜代
医学博士。ペインクリニック臨床医学、東洋鍼灸医学、認知行動療法を合わせた独自のメソッドを開発。著書に『1分間血流アップ体操で超健康になる』(アスコム)などがありTV出演も多数。

痛みを放置すると血管が縮こまる

 私は麻酔科医として、延べ2万人を超える、臨床麻酔の実績があります。
 麻酔科医の仕事というのは、患者さんにとっては「近くて遠い存在」だと思います。というのも、私たちは主に手術中、患者さんの記憶がないときに活躍しているからです。
 麻酔の目的は、大きく分けて三つあります。
「痛みを取ること」、「動かないようにすること」、「記憶を消すこと」です。手術を円滑に進め、術後のダメージを減らすために、これらの要素を満たすことが、私たち麻酔科医の仕事なのです。
 この経験を生かし、2008年に愛媛県松山市にペインクリニックを開業しました。ペインクリニックは、痛み(pain)を緩和して、生活の質を維持・向上するのが目的です。
 肩こりや腰痛、ひざ痛などの慢性的な痛みや、こりの解消に欠かせないのが、実は「血流をスムーズにする」ことなのです。
 痛みを放置していると、痛みを感じた神経が血管を収縮させてしまい、筋肉が動くために必要な酸素や栄養が、存分に運び込まれなくなります。すると筋肉がむくんで、さらに血管を圧迫します。
 その結果、筋肉の炎症がさらに悪化し、痛みやこりが強まるという、悪循環が生じてしまうのです。

わずか1分で血流がアップする

 また、痛みを感じると、自律神経の一つである交感神経が優位になり、血圧や心拍数が上昇します。すると、心臓に負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞など、血管が詰まる疾病のリスクが高くなります。
 このほか、代謝や免疫力(病気に対する抵抗力)なども低下し、カゼから生活習慣病、ガンに至るまで、あらゆる病気を引き起こしやすくなるのです。
 こうしたトラブルを防ぐため、クリニックでは、主に薬や注射で適切に痛みを緩和し、血流をスムーズにする治療をしています。
 同時に、皆さんにお勧めしているのが、わずか1分ほどの簡単な動きで、血流をアップできる指そらし(指先ピーン体操)です。
 やり方はとても簡単です。肩甲骨を大きく動かし、腕を前に突き出して、指先をピーンとそらし、ゆるめるだけです。
 実際に、血流にどのような変化があるか、複数の患者さんにご協力いただき調査しました。

"指先ピーン体操"は、指をそらして血流をよくする

最新の医療機器で 指そらしの効果を調べた

 患者さんには、指先ピーン体操を含む、5種類の簡単な体操をしてもらい、それぞれの前後の血管の様子を、最新の医療機器(超音波診断装置:血管エコー)を使って調べました。

 患者さんの一人、58歳男性のAさん(身長170cm、体重70kg)は、体操の前後で以下のような変化がありました。
 1分間当たりの、左上腕動脈を流れる血流量は0・12Lから0・13Lに増加。動脈の直径は4・6mmから4・7mmに、動脈の面積は16・6m㎡から17・3m㎡に広がりました。

 血液は、心臓から動脈を通って手先や足先など、体の末端まで行き渡り、毛細血管を経由して静脈を通り、心臓に戻ってきます。
 このプロセスのうち、静脈血が心臓に戻ってくるときに「筋肉ポンプ」が使われます。筋肉がグーッと収縮することで、ポンプのような役割をして、静脈の血液を心臓に戻すのです。

 指先ピーン体操をすると、まず指先の筋肉が緊張して、筋肉の間を走る血管を圧迫します。次に、指先の筋肉がゆるむことで血管への圧迫が取れ、血流がよくなります。

 指先ピーン体操は、肩甲骨を大きく動かし、腕を伸ばし、指先までピーンとそらせます。そのため、背中の太い血管から指先の毛細血管まで、血の巡りがとてもよくなります。

エコーで体操後の血流の変化を検査

指をそらすと血流量が増える!

血流がアップする 富永先生の指そらしのやり方

肩こりや頭痛には特に効果的

 実際に行うと、指先にジワジワと血液が巡ってくる感覚が得られるはずです。手指や腕の疲れ、冷え症、肩こり、血行不良による頭痛などには、特に高い効果が感じられると思います。

 もちろん全身の血流にもよい影響がありますから、毎日の習慣にして、健康維持や向上に役立ててください。
 また、指先ピーン体操を行うときは、呼吸に合わせてやると、効果が高くなります。呼吸は、内臓や血管の働きを調整する、自律神経の働きと連動しています。

 息を吸うときは交感神経が優位になって筋肉が緊張し、吐くときは心身をリラックスさせる副交感神経が優位になって、筋肉がゆるみます。
 ですから、力を入れる動作のときに息を吸い、ゆるめる動作のときに息を吐くと、よりスムーズに血流を促せます。
 この体操は、1日に何回やっても大丈夫です。現代の私たちの生活は、パソコンや携帯電話などで指先をよく使います。
 指に負担がかかると筋肉が固くなり、血流が悪くなりがちです。「手が疲れたな」と感じたら、こまめに行うといいでしょう。

 指先ピーン体操は、「運動をしたほうがいいのは、わかっているけれど、何をしたらいいかわからない」という人には特にお勧めです。

 指先ピーン体操は、座ったまま、短時間で、気軽にできます。まずは、楽しみながら続けていただければと思います。
 そして、「これくらいだったら、私にもできる」と自信がついてきたら、もう少し負荷の高い、別の運動を加えていくとよいでしょう。

 皆さんの体力作りのきっかけに、富永流指そらし、指先ピーン体操を役立てていただけたら、とてもうれしいです。

明るいキャラクターで患者さんやスタッフに大人気の富永先生

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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