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「ふくらはぎ」は冷えに対して鈍感?温めるだけでひざや腰の痛みが消える理由

「ふくらはぎ」は冷えに対して鈍感?温めるだけでひざや腰の痛みが消える理由

ふくらはぎは、冷えに対して鈍感な部位です。試しに、氷を太ももとふくらはぎに当ててみてください。ほとんどの人が悲鳴を上げますが、ふくらはぎは意外と平気です。10秒くらいなら、我慢できるのではないでしょうか。【解説】関博和(せき接骨院院長)


ふくらはぎを温めるだけの簡単健康法

 体の中で、いちばん冷えやすいところはどこだと思いますか。意外かもしれませんが、それはふくらはぎです。
 私はこれまで、30万人を超える患者さんを診てきました。その中でわかったことは、体に不調のある人は、例外なく、ふくらはぎが冷えている、ということです。

 ふくらはぎは、なぜ冷えやすいのか。なぜそれが、不調につながるのでしょう。
 ふくらはぎは、露出する機会の多いところです。冬はもちろん、エアコンを使う夏も、ふくらはぎは容赦なく冷やされています。

 また、ふくらはぎは太ももほど、筋肉の量も動きも多くありません。太もものように筋肉が多く、よく動かすところは、熱が産生されて温まります。ところが、筋肉量が少なく、意識しなければあまり動かさないふくらはぎは、熱が産生されにくく、冷えやすいのです。

 ふくらはぎが冷えると、筋肉も血管もかたくなり、収縮してしまいます。ふくらはぎの筋肉は、乳しぼりをするように伸縮することで、足に滞った血液を心臓に押し戻すポンプの働きを担っているのです。
 しかし、筋肉がかたくなると、そのポンプ機能が低下します。また、血管も収縮して細くなり、血液が流れにくくなります。
 このようにふくらはぎの冷えは、全身の血流不全と冷えの原因になるのです。

 冷えは、体にとって大きなストレスになります。それが長く続くと、自律神経のバランスやホルモンの分泌が乱れて、体のさまざまな不調や痛みを引き起こすことになるのです。

ふくらはぎは太ももより1.75度も冷えている

 ふくらはぎは、冷えに対して鈍感な部位です。試しに、氷を太ももとふくらはぎに当ててみてください。ほとんどの人が悲鳴を上げますが、ふくらはぎは意外と平気です。10秒くらいなら、我慢できるのではないでしょうか。

 なぜこんな違いが出るのかといえば、ふだん冷たい外気にさらされているふくらはぎは、冷えに対して耐性があるからです。

 名古屋市立大学の研究によると、高齢者のふくらはぎの温度は、太ももより平均1・75度も低かったそうです。高齢者は筋肉が少ないうえにあまり歩かないので、よけいにふくらはぎが冷えて、リンパや血液が滞りやすくなっているのです。
 このふくらはぎを効率的に温めるために、私は次のような方法を皆さんに勧めています。

① サポーターで温める

 ひざ下からくるぶしまでを覆うサポーターやレッグウォーマーで、ふくらはぎを温めます。できれば、密着性があり、かつ締めつけ感のないものを選んでください。
 これらを入浴のとき以外、1日じゅうつけていると、ふくらはぎが冷えません。夜、装着して寝ると、不眠や夜間頻尿、こむら返りなどを防げます。

② カイロでツボを温める

 ふくらはぎには、重要なツボが集まっています。その中で、特に温めたいのが、三陰交と懸鍾というツボです。
 三陰交は、冷えや足のむくみ、月経障害、更年期障害などに効く万能ツボで、内くるぶしから指幅4本分(約9㎝)上にあります。懸鍾は、脳や血液に関係するツボで、高血圧に効果があります。外くるぶしから指幅4本分上にあります。

 この位置からわかるように、2つのツボは表裏一体の関係にあり、相乗的に働きます。ここに小さいサイズの使い捨てカイロを、足をはさむように貼ります。靴下などの上から貼って、低温ヤケドをしないように注意してください。その上にもう1枚靴下を重ねばきすると、カイロがずれにくくなります。

③ 腰湯で温める

 浴槽に熱めのお湯(42度くらい)を張り、小さないすなどを置いて腰までつかります。10〜15分、じっくり腰から下を温めてください。肩が冷えるときは、タオルなどをかけるといいでしょう。最後に、肩までしっかり1〜2分つかって出てください。

サポーター、カイロ、腰湯で効率的に温める

ひどい乾燥肌が改善し肌のキメが細かくなった

 こうしてふくらはぎを温めると、さまざまな症状が改善します。ここで、実際の体験例を2例ご紹介しましょう。

 Kさん(55歳・女性)は、全身の冷えやむくみがひどくて来院されました。サポーターをつけて左右のふくらはぎを温めるようにしたところ、すぐに冷えもむくみも軽減。
 半年ほどで体重が9㎏へり、おなかや足もスッキリしました。また、薬を飲んでも下がらなかった最小血圧が、110㎜Hgから98㎜Hgまで下がりました(基準値は90㎜Hg未満)。

 もう一人は、長年のバレーボールの練習でひざと腰を痛めたSさん(63歳・女性)です。Sさんにも、サポーターを勧めました。
 Sさんは35.7度と体温が低かったのですが、ふくらはぎを温め始めたら、36.4度に上がり、ひざと腰の痛みも徐々に消失。
 冬場にひどかった乾燥肌が改善して、肌のキメも細かくなったと喜んでいました。

 このようにふくらはぎを温めると、思いがけない効果までもたらされます。ふくらはぎが、全身の健康につながっていることを実感できるでしょう。

解説者のプロフィール

関博和
1964年、長野県生まれ。
85年、柔道整復師免許取得。92年に開業し、現在に至る。健康管理士一般指導員。介護予防運動指導員。著書に、『「ふくらはぎを温めるだけ」で全身健康になる!』『病気になりたくなければふくらはぎを温めなさい』(ともに講談社)などがある。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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