解説者のプロフィール
私の食生活を支える柱の一つ
皆さん、こんにちは。俳優(声優)の増岡弘です。というより、「フグ田マスオ」といったほうがわかりやすいかもしれませんね。
テレビアニメ『サザエさん』のマスオさんの声を担当するようになって、もう40年にもなります。
1969年にフジテレビ系列でスタートした『サザエさん』も、今年10月で満45歳。週1回放映のアニメ番組では、世界一の長寿番組なのだそうです。さすがに、おっとり屋のマスオさんもビックリです。
サザエさんやマスオさんたちの年齢は変わりませんが、私たち声優陣はそうはいきません。途中で交代された方を除けば、どなたもずいぶん年を取りました。
先日、磯野波平役の永井一郎さんの突然の訃報には、ただただ驚き、深い悲しみを感じています。この場をお借りして、心からご冥福をお祈り申し上げます。
さて、かくいう私も今年で78歳を迎えます。幸いなことに、健康面では大きな支障はありません。
おなかこそ多少出てきましたが、ほかは心身ともにまったく問題なし。アテレコ(吹き替え収録)に穴をあけたこともありませんし、商売道具の声も若いころと変わりません。
共演の皆さんも、それぞれの健康法をお持ちのようですが、私の場合は一貫して「食」へのこだわりです。
私たちの体の細胞は、秒単位で常に生まれ変わっています。今食べた物は、3時間後には細胞の材料となり、「私自身」になっているのです。ということは、食べた物によって、再生される細胞の質も変わります。無害で、体に優しい食品を食べれば、元気で健康な細胞ができるし、その逆もまた真なりです。

健康で大切なのは、病気になる前に、病気にならない体をつくること。
それには、普段から細胞が喜んでくれる「ちゃんとした食べ物」を取るようにするのが一番ではないでしょうか。
「ニンニクみそ」は、そんな私の食生活を支える柱の一つです。
私はこの40年ほど、カゼをひいたことはほとんどありません。これは声優にとって、とてもありがたいことです。なにしろ、声が出なくなったり、かれたりすれば仕事にならず、共演者やスタッフの方たちに迷惑をかけてしまうからです。
そんなカゼ知らずの体の原動力になっているのが、ニンニクみそだと思っています。
人を元気にする精神的効果がある
毎朝、ニンニクみそをごはんにのせたり、みそ汁に少々加えたりして食べる。「ああ、おいしい」と、ホッと一息つく。すると、のどがスーッと大きく開くのがわかります。これが、のどや声にはとてもいいのです。
ニンニクは血行をよくしたり疲れを取ったりするなど、いろいろな健康効果があることで知られていますが、利点はそれだけではありません。その薬効の固まりが体に入っただけで、
「よし、今日も元気にいけるぞ。大丈夫!」という高揚感が出てきて、自然と大きな声がわき出てくるのです。
アニメ番組『それいけ!アンパンマン』で、私が声を担当しているジャムおじさんは、アンパンマンが顔を傷つけられたり、困っている人に顔のパンを食べさせたりすると、顔を新しく作り替えてあげます。すると、アンパンマンはがぜん元気を取り戻し、再び正義のために戦い始めるのです。
あれは、何も新しい命を吹き込むわけではありません。顔を新しくするだけで気分が変わり、元気が出てくるのです。ニンニクみそにも、そんな精神的効果があるに違いありません。
もう一つ、ニンニクみそに使っているみそが、私自身の手作りという点も大切なポイント。自家栽培で取れた大豆や麦から作ったみそは、酵母菌がピンピンしていて、食べればそのまま体の中に入っていきます。
できるだけ自然の食材をという、こうしたこだわりも健康の大きな支えになってくれていると思っています。

ニンニクみそはのどや声にとてもいい
増岡 弘
1936年、埼玉県生まれ。東京藝術大学美術学部中退。文化学院文化芸術学科卒業。幅広い音域を持つ日本を代表する声優。アニメ『サザエさん』のフグ田マスオ役(2代目)や、『それいけ!アンパンマン』のジャムおじさん役は有名。劇団「東京ルネッサンス」を主宰。