MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
【医師解説】私は耳のツボ「神門」で10kgダイエットに成功し、血圧も下がった

【医師解説】私は耳のツボ「神門」で10kgダイエットに成功し、血圧も下がった

私が「神門」という耳のツボを知ったのは、飯島敬一先生(NPO法人生活習慣病予防学術委員会理事)が主催する「神門メソッド」の体験会です。【解説】土肥雪彦(あかね会土谷総合病院顧問・広島大学名誉教授)

神門への刺激が優れているのは、効果が見えやすいという点

耳にあるツボ「神門」は自律神経の働きを調整する

 私が「神門」という耳のツボを知ったのは、2年ほど前、飯島先生が主催する「神門メソッド」の体験会です。自分で体験してみて、神門を刺激する効果のすばらしさを実感しました。直ちに飯島先生にお願いして、神門メソッドを受講させていただき、学ぶことができました。

神門への刺激が優れているのは、効果が見えやすいという点です。

顕微鏡を使って指先の末梢血管を観察したところ、耳を刺激した直後、血管が広がり、血流が明らかによくなるのが見て取れました。

また、耳ひっぱりを行った後は、体の柔軟性が増す、筋力が高まる、あるいは胃腸の調子がよくなる、気分や視野が明るくなる、などの多彩な変化も認められます。

これらの変化から、神門への刺激は自律神経の働きを調整する作用があると考えられます。

自律神経は交感神経と副交感神経からなり、呼吸や血圧、体温、血液の循環、主要臓器など、体の機能を意識しなくても自動的にコントロールしてくれます。

自律神経を構成する2つの神経

 神門をはじめとする耳のツボをこすったりひっぱったりすると、皮膚の下にある感覚受容器が刺激され、触覚、痛覚、温覚、圧覚、振動覚などの情報が、三叉神経や顔面神経など精緻なネットワークを経由して、自律神経の働きを支配している脳の視床下部へ伝わります。

 視床下部は受け取った情報をもとに自律神経を刺激して、神経伝達物質やホルモンなどの分泌を促し、血管や内臓、筋肉などの働きを調整します。

 交感神経、副交感神経がバランスよく刺激されると、その結果、血管が広がって血流がよくなる、胃腸の調子が整う、筋力が高まる、体が温かくなる、内分泌機能や免疫防御機能も改善するなどして、健康増進にもつながるというわけです。

階段の上り下りも苦にならない

飯島先生によると、神門への刺激はダイエット効果もあるということでしたので、私は、自分のメタボ対策で耳ひっぱりを実践してみました。

学生時代は54㎏(身長162㎝)だった体重は66㎏、ウエストは92㎝になり、体が重くて階段を上るのも息苦しく感じていました。

そこで毎日、暇なときには神門を中心に耳をもんだりひっぱったりして、食事も野菜、魚を中心にし、主食も玄米ご飯にかえてよく噛むようにしました。

すると、2カ月後には5㎏減り、2年後の現在は、10㎏減って56㎏、ウエストも10㎝細くなっています。階段も苦になりません。

また、ストレスがたまると、よく癇癪を起こし、血圧も、上が150~140㎜/Hgあったのですが、自然に下がり、今では120㎜/Hg台で落ち着いています。イライラしたり、癇癪を起こしたりすることも、ほとんどなくなりました。

耳ひっぱりで自律神経のバランスもよくなり、以前は交感神経系が優位だったのが、副交感神経系が優位に変わったようで、性格まで温和になった気がします。

妻のガンで学んだ代替療法の癒しの効果

神門を中心とした耳ひっぱりは、ツボ刺激で、代替療法の1つです。代替療法には、漢方・経絡や気功、レイキなど多くの技法がありますが、いずれも西洋医学以外の療法です。

私は、大学病院時代は、腎移植、肝移植、消化器外科領域を専門にしていましたので、代替療法を使う機会はなく、関心もありませんでした。
そんな私が代替療法に価値を見出すようになったのは、妻の病気がきっかけでした。

胃ガンの手術を受けた妻は、術後7年目に再発転移し、食事も取れない、痛みを麻薬で抑えるしかないなど、心身の苦悩で眠れない状況に陥りました。

見かねた娘たちが、アロマを使ったり、胸や腹部のツボを温めたり、マッサージをしたりするなどの手当てをしていました。すると、そんな簡単なことで、心身の痛みは和らぎ、妻が深く癒されているのが見てとれ、私は強い感銘を受けました。

この経験もあって、代替療法のなかで、真に患者さんの苦悩を癒す有用な療法を見い出し、患者さんのため役立てたいと考え、飯島先生をはじめ、多くの先達のかたがたの門をたたき勉強させてもらっています。

今後とも、代替療法を医療現場でしっかり活用していきたいものです。

イライラしたり癇癪を起こしたりすることが耳ひっぱりで減ったと言う土肥先生

自律神経の働きが調整され健康増進につながる

私は5年ほど前、飯島敬一先生が主催する「神門メソッド」の体験会に出席し、神門を刺激する耳ひっぱりの素晴らしさを実感しました。

「耳ひっぱり」を行うことで、いろんな不調や痛みが改善したという話を聞きますが、これは自律神経の働きが調整されたことが大きな要因だと考えられます。

自律神経は、交感神経と副交感神経からなり、呼吸や血圧、体温、血液の循環、臓器の働きなど、体の機能を意識しなくても自動的にコントロールしてくれます。

耳ひっぱりを行うと、皮膚の下にある感覚受容器が刺激され、神経を経由して、自律神経の働きを支配している脳の視床下部へ伝わります。

視床下部は受け取った情報をもとに自律神経を刺激して、血管や内臓、筋肉などの働きを調整します。
交感神経、副交感神経がバランスよく刺激されると、その結果、血管が広がって血流がよくなる、内臓の働きがよくなる、脳力と筋力が高まる、体が温まる、内分泌機能や免疫防御機能も改善するなどして、健康の増進につながっていくわけです。

10kgダイエットに成功、血圧も下がって正常値に

私の体験談をお話ししましょう。
私は、学生時代に54Kg(身長は162cm)だった体重が66Kg、ウエストは92cmになっていました。

そこで耳ひっぱりを毎日の習慣にしながら、食事も野菜、魚中心にかえ、主食も玄米ご飯にして、よく噛んで食べるようにしました。
すると、2ヵ月後に5Kgやせ、2年で10Kg減って56Kg、ウエストも10cm細くなりました。

また、血圧も最高血圧が140~150mm/Hgあったのですが、これも自然に下がり、今では120mm/Hgに落ち着いています(最高血圧の正常値は130mm/Hg未満)。
イライラしたり、癇癪を起こしたりすることもほとんどなくなりました。

私は現在、セカンドオピニオン・医療相談外来も担当しています。
ガンの術後のかたや腎移植手術後のかた、透析患者さんなど、いろいろなかたが相談に来られます。

患者さんの悩みに対して、医師ができること、患者さんができることを分けてお話しし、セルフヒーリングの重要性ややり方などもお教えしています。
私はそこで「ベッドでできるセルフケア・セルフヒーリング法(土肥法)」を紹介しています。

これは呼吸法や経絡(生命エネルギーである気の通り道)・チャクラ(人体の頭部、腹部などにある中枢)の活性法、軽運動法などを組み合わせたものです。
この仕上げに耳ひっぱりを取り入れましたが、心身が癒されると、患者さんからも好評です。

耳には全身に関係するツボが集まっていますので、耳ひっぱりは生命維持に重要な領域すべてを活性化し、心身を癒してくれる素晴らしいセルフケア方法です。
ぜひ日々活用していただきたいと思います。

解説者のプロフィール

土肥雪彦(どひ・きよひこ)

1960年、広島大学医学部卒業。
広島大学医学部教授(第2外科学)、広島大学病院長、広島県立広島病院長、中国労災病院長などを経て、2006年より現職。
日本における透析医療・臓器移植医療の先駆者。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この記事のエディター
関連記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
これまで、疲労が起きるのは、「エネルギーがなくなるから」「疲労物質が筋肉にたまるから」と考えられてきました。しかし、最新の研究によって、疲労が起きるほんとうの理由は、「自律神経の中枢である、脳がサビつくから」ということが、わかっています。【解説】梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック院長)
症状の原因ははっきりとはわかりませんが人工透析を行う人には老若男女問わずよく現れるものです。これに薬で対応しようとすると体にもっと大きな負担がかかってしまいますし、副作用も心配です。少しでも患者さんの体に負担をかけずに症状をやわらげるのに「手のひら押し」が有効だと思っています。【解説】佐藤孝彦(浦安駅前クリニック院長)
東洋医学には五行思想というものがあり、人の体に起きるあらゆることは五臓につながっていると考えられています。涙がすぐに出るのは、「憂い、悲しむ」感情からです。 これは、五臓の中の「肺」の弱りから発する感情です。肺が弱い体質、もしくは肺が弱っているのかもしれません。【解説】田中勝(田中鍼灸指圧治療院院長)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル