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「肩甲骨ひねり」で低体温を改善し睡眠の質が向上!

「肩甲骨ひねり」で低体温を改善し睡眠の質が向上!

肩甲骨ひねりをして、肩の周辺をじっくり動かすと、ポカポカと体が温まるのがわかるでしょう。こうして体温コントロールを夕方に行い、強制的に深部体温を上げれば、体は休息モードに入ると認識。夜に向かって、自然と体温が下降して、スムーズに眠れます。【解説】白濱龍太郎(RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長)

解説者のプロフィール

白濱 龍太郎
睡眠、呼吸器内科、在宅医療の専門クリニック「RESM新横浜」院長。筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了。東京共済病院、東京医科歯科大附属病院を経て2013年に「RESM新横浜」を開設。『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム)など、著書多数。

●RESM新横浜
神奈川県横浜市港北区新横浜3-8-12 丸八新横浜ビル4階
[TEL]045-475-5155
http://www.resm.info/

よい睡眠を得るカギは「体温コントロール」

では、よりよい睡眠を得るためにはどうすればよいのでしょうか。
そのカギになるのが、「体温コントロール」です。

一日の体温の推移と睡眠のリズムには、実は密接な関係があります。
体の中心部の温度を、深部体温といいます。

この温度が高い状態から低い状態に下がる落差によって、グンと眠気が増すことがわかっています。
例えば、赤ちゃんがぐずって泣いているとき、手を握ってみて、熱いと、「眠いからだろう」と判断しますね。

これは、手のひらから熱が外に放出されていて、深部体温が下がってきているタイミングなのです。
深部体温は、興味深いことに、「起床から11時間後」に下がり始めます。

朝の6時に起きれば、夕方に深部体温はピークを迎え、下がり始めるのは17時ごろ。
これは、体が休息モードに入る準備をしていることを示します。

自律神経が健全に働いていれば、だれでもそうなるように、できているのです。
とはいえ、現代人にとって、生活パターンを毎日一定に保つのは、簡単ではありません。
深夜まで起きている日もあれば、朝寝坊することもあります。

睡眠不足は 心身の安定や認知機能に影響が生じる

人間の脳は、起きている間、絶えず活動しています。眠っている間が、唯一の休息時間です。

私たちが熟睡しているうちに、大脳では、ストレスの消去や記憶の整理といった修復・復元作業が行われます。
ですから、きちんとした睡眠が取れないと、心身の安定や認知機能に影響が生じるのです。

また、睡眠時間の不足や、質の低下は、自律神経系の働きにも悪い作用をもたらします。
自律神経は、無意識下で、私たちの内臓や血管の働きを調整しています。

体の免疫機能をつかさどるのも、自律神経です。
不眠が続くと、自律神経が、ときと場合に応じた適切な働きをしなくなります。
そのため、免疫力が低下して、体調をくずしたり、カゼをひきやすくなったりするのです。

不眠の改善には、体を強制的に休息モードにする!

そこで、手っ取り早い方法として、お勧めなのが、夕方の「肩甲骨ひねり」です。
肩甲骨周辺やわきの下には、褐色脂肪細胞という、エネルギー産生が盛んな脂肪組織があります。

脂肪を燃やし、熱を作ることで、体温を調節する働きがあります。
肩甲骨ひねりをして、肩の周辺をじっくり動かすと、ポカポカと体が温まるのがわかるでしょう。

こうして体温コントロールを夕方に行い、強制的に深部体温を上げれば、体は休息モードに入ると認識。
夜に向かって、自然と体温が下降して、スムーズに眠れます。

私はクリニックの患者さんにも、この方法をお伝えして、不眠の改善に効果を上げています。
よい睡眠を得て、免疫力を高めるのに役立ててください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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