アカモクは 別名ギバサ、ナガモ
皆さんは、「アカモク」という海藻をご存じでしょうか。
ワカメやメカブに比べると、まだまだ知名度が低いため、この名前を耳にしたことのあるかたは、少ないでしょう。
アカモクは、北海道東部を除いて、全国に分布している海藻です。
日本海沿岸の地方では、「ギバサ」や「ナガモ」などと呼ばれ、昔から食べられていました。
最近では、首都圏の大手スーパーでも売られるようになりました。
アカモクが入手しやすくなるというのは、私たちにとって、朗報といえます。
というのも、アカモクには、優れた健康効果が期待できるためです。
そこで、ここでは、アカモクの効能について、詳しくお話ししましょう。
ぬめりの栄養成分フコイダンが群を抜いて多い
まず注目したいのは、アカモクに豊富な多糖類の作用です。多糖類とは、炭水化物の一種です。
炭水化物は、3種類に分けられ、単糖類、二糖類、多糖類からなります。
一つの糖からできていて、これ以上分解できないのが単糖類で、果物やハチミツなどの糖がこれに当たります。
二つの糖でできているのが二糖類で、砂糖や水あめなどが含まれます。
多糖類は、その名のとおり、たくさんの糖が連結してできた物質です。
食品に含まれる糖は主に、ここに含まれます。
なかでも、海藻やレイシ、アガリクスなどのキノコ類の多糖類は、体の働きを調整してくれる成分を含みます。
アカモクにも、多糖類の成分が多く含まれています。それがフコイダンです。
実はアカモクには、モズクの2倍もフコイダンが含まれているのです(下記グラフ参照)。

フコイダンとは、海藻にぬめりをもたらす成分です。
このぬめり成分が、激しい潮の流れや、外的刺激から海藻を守ったり、海面から出たときは、乾燥を防いだりと、海藻本体を守るバリアの役を果たしています。
私たちの体には、侵入してきた細菌やウイルスから身を守る、免疫機構が備わっています。
海藻が、己の身を守るために利用しているフコイダンは、この免疫力を高める効果があるとされています。
みそ汁、酢のものに。アカモクと納豆を合わせるとより強力に

マウス(実験用のネズミ)に白血病のガン細胞を移植し、フコイダン抽出物のえさを与えた群と、フコイダンなしの群とで、マウスの延命効果を調べました。
すると、フコイダンを与えた群のほうが、高い延命効果があったという調査結果が出されています。
このように、フコイダンが、マウスの免疫活性を高めたことが報告されているのです。
また、マウスがフコイダンのえさを摂取すると、ガン細胞を攻撃するNK細胞の活性も高まるという報告もなされています。
加えて、アカモクに含まれる食物繊維の効果も見逃せません。
アカモクに含まれる総食物繊維量は、ワカメやメカブよりも多いのです。
食物繊維は、腸蠕動運動を促し、便秘の解消に役立つことはいうまでもありません。
食物繊維によって腸内環境が整えば、それがまた免疫にもよい影響をもたらします。
腸は、私たちの体の中の最大の免疫器官です。食物繊維をたくさんとることで腸内環境がよくなると、免疫力アップにつながるでしょう。
さらに、アカモクには、カルシウムなどのミネラル類も豊富です。
ミネラル類は、人に必要不可欠な五大栄養素の一つで、体の組織を構成したり、体の調子を整えたりする働きがあります。
アカモクのおすすめの食べ方
アカモクは、味や香りにクセがないため、どんな料理にも合わせやすい海藻です。
そのままみそ汁に入れると、豊かな香りが広がります。また、酢の物にしてもいいでしょう。
そして、サラダに加えたり、うどんなどの麺めん類に入れたりと、バリエーションはどんどんふやせます。
お勧めは、納豆に混ぜて食べること。納豆の原料となるダイズは、良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。
たんぱく質は、免疫細胞の原料となる栄養素です。アカモクと納豆を合わせると、免疫力を、より強化してくれるでしょう。
食品の有効成分の影響が、実際に私たちの体に現れてくるまでには、約3週間の継続が必要です。
ですから、最低3週間はアカモク入りのメニューを食べることが、一つの目安になるでしょう。
ぜひ、お試しください。

味や香りに癖がないので、どんな料理にも合わせやすい