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高血圧対策に、良質な睡眠、朝食、早歩きが重要!

高血圧対策に、良質な睡眠、朝食、早歩きが重要!

私は「睡眠時の血圧を下げることこそが、健康長寿のカギである」と考えています。その対策について、お話ししましょう。高血圧患者の多くは、原因不明の「本態性高血圧」といわれますが、その原因のほとんどはストレスであると考えています。【解説】浅輪喜行(アサワ医院院長)

本態性高血圧の主な原因はストレス。ぐっすり眠れば良い

上の記事でご説明したように、私はこれまで1700人に及ぶ患者さんの24時間血圧を測定し、「睡眠時の血圧を下げることこそが、健康長寿のカギである」という結論に至りました。
これから、その対策について、お話ししましょう。

高血圧患者の多くは、原因不明の「本態性高血圧」といわれますが、私は、その原因のほとんどはストレスであると考えています。
日中に受けたストレスの影響が就寝後も続き、血管が収縮して、血圧が上がったままになるのです。

ストレス自体をなくすのは、難しいでしょう。重要なのは、嫌な気持ちを引きずらないことです。
運動や旅行をしたり、音楽を聴いたりして、「楽しい」と思える時間を持ってください。

また、良質の睡眠を取ることも大切です。体が適度に疲れると、ぐっすり眠れます。
日中、できるだけ体を動かすようにしてください。体を動かさず、脳だけが疲れると眠れません。

昨今は、電気やテレビ、パソコンなどの普及で、生活時間が夜にずれ込んでいます。
そのため、夜になっても心身が休息モードにならず、睡眠中も血圧が高いままになるのです。
就寝ギリギリまでテレビやパソコンを見る習慣はやめてください。

朝は脱水状態で、血液はドロドロ!

また、朝食も重要です。私たちは夜間、汗や呼吸、排尿で水分を失います。
就寝前と起床後の体重を比べると、1kg程度減っているでしょう。
それが夜中に失われた水分量です。つまり、朝は脱水状態なのです。

ドロドロの血液は、血管内にコブを作り、血流を悪くして、高血圧の元になります。
ですから、朝は水分をたっぷりとり、血液を濃くせず、サラサラにする必要があります。

ただし、水やお茶だけを大量に飲むのは、意味がありません。すぐに尿として出てしまうからです。
尿にはナトリウムやカリウムなどの電解質(ミネラルイオン)が含まれるため、体内のミネラルまで排出され、逆に体に悪影響を及ぼします。

午前中に脳梗塞や心筋梗塞を起こした患者さんの朝食を調べたところ、ほとんどが「パンとコーヒー」でした。
これでは、水分やミネラルを補給できず、血液はドロドロのままです。

お勧めする朝食は、和定食です。
ご飯と具だくさんのみそ汁、漬物、お茶で、水分とミネラル、食物繊維がとれます。

水分を食物繊維といっしょにとると、水分が消化器内に滞留する時間が延び、少しずつ体に吸収されて、血液が濃くならずに済みます。

よく「早朝高血圧」が問題視されますが、朝は心身を活動的にするために、血圧を上げる必要があります。
朝の血圧が高くても、睡眠中に低ければ全く問題ありません。

塩分によって高血圧になるのは腎臓の悪い人だけで、それ以外の人は、塩分摂取は少ないほうが、心疾患や死亡リスクが高まります。
日中も、こまめに水分と塩分の補給をしましょう。

お手本は、日本一の長寿県・長野です。
長野県の人たちは、食事のほかに、約2時間おきにお茶と漬物で休憩します。

血栓溶解物質(t-PA)が体内で増える早歩きや水泳がお勧め

生命維持にまず必要な栄養素は、水分と電解質です。
そのうち、ナトリウムとカルシウムは血圧を上げ、カリウムとマグネシウムは血圧を下げます。
そのバランスを、お茶と漬物でとっているのです。

さらに、ティータイムはストレスを緩和し、精神的な安らぎをもたらします。
こまめにお茶と漬物をとることで、食事のドカ食いも防げます。
こうした生活スタイルが、健康長寿につながっているのでしょう。

また、高血圧の一因である動脈硬化の多くは、血管の内壁に、シュウ酸カルシウムが沈着することで起こります。
それを予防するために、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を、少量ずつ頻繁にとるのがお勧めです。
乳製品のカルシウムが腸管内でシュウ酸と結合し、便として排出されるため、シュウ酸が体内に吸収されにくくなります。

運動も大事です。
早歩きや水泳などの有酸素運動を行うと、血栓(血の塊)を溶かすt-PAという物質が体内で増えます。
以上のことを心がけ、適切な治療を受けることで、血管の健康が回復し、夜間の血圧も下がるでしょう。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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