
花粉症のメカニズム
今や国民病ともいわれる花粉症。春先になると、鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどで、家事や仕事が手につかないという人も多いようです。
そこで、「花粉症に有効なものはないか」と、いろいろと調査・研究を重ね、ついに「これ以上の組み合わせはない」と確信したものがあります。それは、「ショウガ」と「赤ブドウの皮」です。
これらの効能をお話しする前に、花粉症のメカニズムについて、ごく簡単に説明しておきましょう。
花粉が体内に入り、異物と認識されると、リンパ球のB細胞で免疫グロブリン(IgE)抗体が大量に作られます。このIgE抗体が、粘膜にあるマスト細胞(肥満細胞)に付着し、そこにやってきた花粉と結合すると、マスト細胞が活性化され、アラキドン酸が遊離されます。
このアラキドン酸から、ロイコトリエン、プロスタグランディンという物質が生成され、鼻づまり、炎症、痛み、むくみといった症状を引き起こします。
また、別ルートでマスト細胞からは、ヒスタミンという物質が分泌され、くしゃみ、鼻水、かゆみなどを引き起こします。
これまでにショウガが、このメカニズムの中で、ロイコトリエンとプロスタグランディンの生成、ヒスタミンの分泌を抑制することはわかっていました。
9割以上の人の症状が1週間で緩和した!
そこで昨年、私は主にショウガ粉末でできたサプリメントを作り、花粉症の症状が出た12名(30〜50代の男性9名、女性3名)に1週間飲んでもらいました。すると、なんと重症だった1名を除いた11名の症状が緩和したのです。
「くしゃみや鼻水が出なくなりました。目のかゆみだけは少し残りましたが、薬と違って眠くならないのがとてもよかったです」これは、女性の体験者からいただいた感想です。
わずか1週間で、このような素晴らしい結果が出て、私は「ショウガが花粉症の根本的な原因をも抑えるのではなかろうか」と考えました。
そして、いろいろと最新の文献を調査したところ、ショウガがIgE抗体の産生を抑制する、という研究論文を発見したのです。それは、パリ第五大学医学部で行われた実験でした。IgE抗体の産生が、ショウガの水抽出物を取ることで、約35%抑制されます。
この調査のさいに、赤ブドウの皮の渋味成分(レスベラトロール)にも、同様の働きがあることがわかりました。韓国の生命工学研究院で行われた実験です。ブドウの皮によって、IgE抗体の産生が50%ほど抑制されています。
また、ブドウの皮にもショウガと同様に、ロイコトリエン、プロスタグランディン、ヒスタミンを抑制する効果があることも研究で確認されています。
つまり、ショウガとブドウの皮は、花粉症の症状を抑える対処的な働きと、花粉症を引き起こす原因物質(IgE抗体)の産生を抑える働きの、両方を併せ持つということです。
なお、これら二つの成分は、花粉症だけでなく、ダニなどによるアレルギー性鼻炎やぜんそくの改善にも効果的であることが明らかになっています。
花粉が飛ぶ1週間前から取るのがお勧め
ブドウの皮の渋味成分は、赤ワインや100%の赤ブドウジュース、干しブドウなどに含まれていますから、花粉症の気になる人は、ショウガと一緒に取るといいわけです。
1回に取る量は、生のショウガ5~6g、赤ワイン50〜60㎖(赤ブドウジュースなら100㎖)、干しブドウ20個が目安です。これらを1日3回、毎食前に取るといいでしょう。
アルコールは、花粉症を悪化させる危険性がありますから、赤ワインは必ず火にかけて、アルコールを飛ばすようにしてください。

甘味が欲しい人は、黒砂糖かハチミツを好みで加えてもけっこうです。
赤ブドウジュースや干しブドウでも構いません。ただし、赤ブドウジュースは赤ブドウ100%のものでないと、皮の渋み成分が十分に入っていないので、注意してください。
最後に、さらに花粉症の改善効果を高めたいなら、サプリメントのマリアアザミ(シリマリン、ミルクシスルなど)も取ることをお勧めします。
マリアアザミは肝機能の改善によいとされるものですが、IgE抗体の産生を抑制するので、花粉症の症状の軽減も期待できます。これも1日3回に分けて取るといいでしょう。
ショウガ赤ワイン、ショウガ赤ブドウジュース、あるいはショウガと干しブドウは、花粉が飛ぶ1週間前から取ると、予防効果も期待できるのでいいでしょう。ぜひお試しください。