【喘息・COPD対策】呼吸器を鍛える「口すぼめ呼吸」と咳を抑える「ハチミツコーヒー」

【喘息・COPD対策】呼吸器を鍛える「口すぼめ呼吸」と咳を抑える「ハチミツコーヒー」

ぜんそくやCOPDなどの症状があり、呼吸器の機能が慢性的に低下した人には、「口すぼめ呼吸」をお勧めします。また、ハチミツには抗炎症作用があり、薬よりもセキ止めに効果的という医学論文が多数あります。コーヒーはカフェインに気管支拡張作用がありぜんそくの発症リスクを低減するそうです。【解説】大谷義夫(池袋大谷クリニック院長)


普通のカゼに薬は不要!抗生物質は逆にマイナス

前項でお話ししたとおり、ウイルスによる普通のカゼは、ほうっておいても自分の免疫力で自然に治ります。
いわゆるカゼ薬を飲む必要はありません。
カゼ薬は、解熱、鎮痛、セキ止めなどの目的で一時的に症状を抑えるだけのもので、根本原因であるウイルスを駆除する薬ではないからです。

もし、「いや、カゼ薬が効いて治ったことがあるぞ」という人がいたら、それは、あなたの体の免疫システムが、病原体を駆逐したからです。
薬を飲まなくても、治っていたでしょう。

また、すぐに治らないと「市販のカゼ薬が効かない」といって、病院を受診し、抗生物質を処方してもらうなどしていませんか。
抗生物質は、例えば溶連菌や肺炎球菌など、少数派の細菌性のカゼに限って効果を発揮します。

普通のカゼに対しては無意味などころか、必要のないときに乱用すると、体内に耐性菌が生じやすくなります。
いざというときに、抗生物質が効かなくなってしまうのです。

細菌性であれば、たいてい、ウイルス性のカゼよりも重症化します。
38・5度以上の高熱が出たり、黄色いタンが出たり、体が相当にだるかったりするので、「普通のカゼじゃない」と判断がつくでしょう。

ちなみにインフルエンザは、普通のカゼのウイルスと異なり強力なので、簡単には撃退できません。
タミフルなどの抗ウイルス薬はありますが、ウイルスの増殖を抑えるだけで、症状に対する特効薬はないのです。

いずれにせよ、普通のカゼではないと感じたら、早めに病院を受診してください。
ただ薬は、できるだけ飲まないにこしたことはありません。

というのも、例えばセキは異物を排除するための生体防御反応であり、気道にたまったタンを吐き出す役割もあります。
無理に症状を抑え込まないほうが、早く治ります。

「普通のカゼに薬は不要」というのは、そうしたわけなのです。
カゼ対策の基本は、十分な睡眠です。

しっかり休養することで、免疫力が回復します。
睡眠は、予防のうえでも重要です。

アメリカの研究報告によると、毎日7時間程度の睡眠で、ウイルスの侵入を防ぐだけの免疫力がキープできるそうです。

ハチミツとコーヒーはセキの軽減に有効!

一時的なカゼではなく、ぜんそくやCOPDなどの症状があり、呼吸器の機能が慢性的に低下した人には、「口すぼめ呼吸」をお勧めします。
これは、実際に治療現場で患者さんに指導している訓練法です(やり方は下記図版参照)。

気道を広げ、呼吸筋を鍛えるので、息苦しさを改善する一助になります。
行うタイミングは、入浴中がいいでしょう。

浴室は湿度が高いので、のどにやさしい環境です。
リラックスしながら、無理のない範囲で行ってください。

慣れてきたら、3秒かけて吸い、9秒かけて吐くといったように、秒数を伸ばすと、負荷が高まり、効果がアップします。

高齢者に多い誤嚥性肺炎は、嚥下機能の低下が原因です。
本来ならセキ反射で外に吐き出されるはずの唾液や食べ物が、誤って肺に入ってしまい、細菌感染を起こした結果、炎症が起こります。

嚥下機能を鍛えるには、「空嚥下」が有効です。
毎食前に5回、唾液をゴクンと飲み込んでください。
「これから食べ物が食道に入るぞ」と脳に伝えることで、誤嚥しにくくなります。

別名「タバコ病」ともいわれるCOPDの対策法は、なんといっても禁煙。
タバコは、肺の健康を損なう最大の要因です。

高齢になると、「いまさら禁煙なんて」と開き直るケースも見られますが、何歳からでも肺機能の低下は食い止めることができるのです。
家族のためにも、禁煙を強くお勧めします。

食べ物や飲み物からも、呼吸器系症状の予防・改善を図ることができます。
野菜は、ビタミン類や抗酸化物質を多く含むため、全般的にお勧めです。

なかでも、ブロッコリースプラウト(ブロッコリーの芽)は、非常に抗酸化作用が高いスルフォラファンという成分を含み、気管支の収縮を抑制します。
ぜんそく予防に有効です。

豆苗(エンドウマメの芽)も葉よう酸さんが豊富に含まれていることから、呼吸器系にいい野菜です。
葉酸は、体内でドーパミンという物質の産生にかかわっています。

ドーパミンが不足すると、セキ反射や嚥下機能が低下するという研究があるので、積極的にとりたいものです。
嗜好品なら、ハチミツとコーヒーはいかがでしょう。

ハチミツには抗炎症作用があり、薬よりもセキ止めに効果的という医学論文が多数あります。
コーヒーは、カフェインに気管支拡張作用があり、ぜんそくの発症リスクを低減するそうです。

ハチミツとコーヒーをいっしょに摂取しても、セキの軽減に有効と報告されています。
まだまだ空気が乾燥する季節が続きます。

自分に合った方法で、呼吸器系症状の予防・改善に努めてください。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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