【動体視力を鍛える方法】プロ野球選手も実践する「視覚トレーニング」とは
私は現在、2軍のトレーニングコーチとして若手の育成に力を注いでいます。1軍に生きのいい選手を送るのが私の役割です。「視覚トレーニング」をチームに導入したい、と考えたのは5年前でした。【解説】伊藤博(読売巨人軍 2軍トレーニングコーチ)
読売巨人軍も取り入れる視覚トレーニング
「動体視力が落ちているのでは?」
私は現在、2軍のトレーニングコーチとして若手の育成に力を注いでいます。
1軍に生きのいい選手を送るのが私の役割です。
「視覚トレーニング」をチームに導入したい、と考えたのは5年前でした。
そのころ、ある選手のバッティングの調子が悪くなったのですが、打撃フォームも体調もよいので不調の原因が分からず、考え込んでいたのです。
そのとき、打撃コーチから、「動体視力が落ちているのでは?」と指摘されて、ハッとしたのです。
動体視力とは、移動するものを識別する眼の能力です。野球でいうと、ボールの動きを眼で追う視力のことです。
動体視力とスポーツ能力は関係が深く、一流のスポーツ選手の中には、この能力を高める訓練を受けている人もいます。
そこで私は、トレーニングの一環として正式に取り組むことを考え、スポーツビジョン研究会(東京都中央区・真下一策代表)を訪れました。ここで、視覚トレーニングについて学んだのです。
選手には、まず動体視力の重要性と、それを高める視覚トレーニングの説明をしました。
その上で、明確な目的を二つ提示しました。
一つ目は打撃。ボールスピードや変化球に対しての反応をよくすること。
二つ目は守備。速い打球やイレギュラーバウンド(不規則な弾み方をする打球)への反応をアップさせることです。
このように具体的な目的があるほうが、選手たちは取り組みやすいと考えたのです。
巨人軍で実際に行っている視覚トレーニング
現在、巨人軍で実際に行っている視覚トレーニングは数多くありますが、特に重視しているのが、以下の3種類です。
練習前、ウオーミングアップの後に続けて行い、習慣化しました。
①視野を拡大するトレーニング
②横方向の動体視力を鍛えるトレーニング
③前後(遠近)の動体視力を鍛えるトレーニング
①や②は守備範囲を広げる効果があり、③は打者が投手の球をとらえる能力に直結します。
こうして視覚トレーニングを続けたところ、選手たちに少しずつ変化が表れました。
まず打撃では、頭や体を動かさずに、眼だけでボールが追えるようになったので、フォームがくずれずにボールをとらえられるようになりました。
守備でも、以前だったら手が出なかったイレギュラーバウンドにも、しっかりと反応し捕球できる場面が多くなりました。
現在では、屋内のトレーニング場に、視覚トレーニング用のボードを常設しています。
これからも、チームで視覚トレーニングに取り組み、選手の能力を向上させていきたいです。
巨人軍は日本一を目指します。
皆さんも応援、よろしくお願いいたします。
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