【名医が認定】血圧を下げるドリンクは「果汁100%のブドウジュース」

【名医が認定】血圧を下げるドリンクは「果汁100%のブドウジュース」

あるテレビ番組関係者から「先生、ブドウジュースを飲むと血圧は下がりますか?」と、聞かれました。文献を当たったところ、確かに海外に、そうした研究がありました。そこで早速、高血圧の患者さんにご協力をいただき、臨床試験を行うことにしました。【解説】渡辺尚彦(東京女子医科大学医学部教授・東医療センター内科医師)


渡辺尚彦
東京女子医科大学医学部教授・東医療センター内科医師。高血圧を中心とした循環器病が専門。1987年8月から連続携帯型血圧計を装着開始。以来、24時間365日、血圧を測定しており、現在も連続装着記録を更新中。「ミスター血圧」として知られる。『クスリを飲まずに、血圧を下げる方法』(廣済堂出版)など著書多数。

最近テレビで 紹介し大反響!

高血圧は、自覚症状が出ることが少ない病気です。
いつの間にか進行し、症状が出たときには、すでに命にかかわる危険な状態という場合もあります。

高血圧が、「サイレントキラー」と呼ばれるのはこのためです。
高血圧が忍び寄ってくるのを防ぐには、日々の生活において、さまざまな工夫を重ねる必要があります。

私はこれまで、血圧を下げるセルフケアを、数多く提案してきました。
その中で、最近テレビで紹介して大きな反響があった方法が、「ブドウジュースを飲む」というものです。

この方法を勧めるようになったのは、だいぶ以前に、あるテレビ番組関係者から問い合わせを受けたのがきっかけでした。
「先生、ブドウジュースを飲むと血圧は下がりますか?」と、聞かれたのです。
文献を当たったところ、確かに海外に、そうした研究がありました。

しかし、他人の研究を報告するだけでは発言に責任が持てません。
自分で調べて確かめないと、テレビでいうことはできないと考えたのです。

そこで早速、高血圧の患者さんにご協力をいただき、臨床試験を行うことにしました。
私が試したのは、次の四つです。
 ❶ 果汁100%ブドウジュース
 ❷ 同10%ブドウジュース
 ❸ 同100%オレンジジュース
 ❹ 焼きイモ

❶~❸のグループの人には、それぞれのジュースを朝昼晩の3回、200mlずつ飲んでもらいました。
1日に600ml飲むことになります。
ブドウジュースは、いわゆる白ブドウではなく、紫色の濃いブドウを使ったジュースです。
❹のグループの人には、ジュースと比較するため、やはり朝昼晩の3回、小ぶりの焼きイモを食べてもらいました。

血圧を測りっぱなしで降下作用をハッキリ確認

ブドウ、オレンジ、サツマイモは、いずれもカリウムを多く含んでいます。
カリウムは、体内の余分な塩分を排出し、血圧降下に役立つミネラルです。

つまり、❶~❹のいずれも、血圧を下げる効果が期待できます。
患者さんには全員、24時間連続して測れる血圧計を装着してもらい、血圧の変動を記録しました。
調査期間は、1週間から10日ほどだったでしょうか。

結果、❸のオレンジジュースと、❹の焼きイモは、血圧降下作用は見られませんでした。
❷の果汁10%ブドウジュースでは、血圧が下がる傾向が、わずかに見られました。
ただし、有意差(偶然や誤差の範囲ではない差)は出ませんでした。

唯一、ハッキリと血圧降下作用が認められたのが、❶の果汁100%ブドウジュースです。
数値は大きくありませんが、有意差の出る形で血圧降下が確認されたのは、これだけでした。

こうした結果が出たことで、「ブドウジュースには、血圧降下に役立つ可能性が、確かにある」と、テレビで自信を持って話すことができたのです。
ブドウジュースの血圧を下げる効果は、ブドウに含まれるポリフェノールの働きと考えられます。

ポリフェノールとは、植物に含まれる色素や苦み、渋み成分となる化合物の総称です。
さまざまな健康効果があり、近年注目を集めているのが、ポリフェノールの、血管内壁に対する作用です。

血管の内壁は複層構造になっており、血液に接する、最も内側の面を内膜といいます。
この膜を覆っているのが、血管内皮細胞です。

ここでは、NO(一酸化窒素)が産生されています。
NOには、血管を拡張する作用があり、血管が広がれば、自然と血圧は下がります。
ポリフェノールは、このNOの産生を促します。

つまり、間接的に、血圧を下げることに役立っているのです。
では、同じブドウ由来の、赤ワインではどうでしょう。

もちろん赤ワインにも、ポリフェノールが豊富に含まれています。
ただ、高血圧の改善という面からいえば、アルコールは多量に飲むと翌朝の血圧を上げるので、逆効果となってしまいます。
また、酒を飲み過ぎて肝臓に負担をかけては、元も子もありません。

私がジュースを勧める理由は、そこにあります。
ただ、ブドウジュースも、継続して飲むのであれば、1日に600mlは多過ぎるでしょう。

糖分のとり過ぎは、糖尿病や肥満など、別のリスクを招きます。
現実的な量は、せいぜい1日に200mlといったところです。

毎日コップ1杯を、習慣にしてみましょう。
先に述べたとおり、高血圧の改善には、さまざまな工夫の積み重ねが大切です。
薬に頼らず、生活習慣の見直しで血圧を下げるのであれば、よいといわれる方法を少しずつ、できる範囲で続けていくのが、遠いようで、いちばんの近道なのです。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


【ブーム間違いなし】ダイエット効果抜群「レモンコーヒー」で“長寿ホルモン”が増え認知症も予防できる

【ブーム間違いなし】ダイエット効果抜群「レモンコーヒー」で“長寿ホルモン”が増え認知症も予防できる

イタリアやロシアなどのヨーロッパ諸国で愛飲されている「レモンコーヒー」に、なんとも多様な健康効果があると判明!日本でも近々、ブームとなること間違いなし?医師、大学教授、管理栄養士が、その魅力を語ります。“魅惑の味”を、ぜひお試しください。【解説】安中千絵(医療管理栄養士)


【血圧が下がった】朝食をトマトにしたら10kgやせた!高かった血圧も正常化

【血圧が下がった】朝食をトマトにしたら10kgやせた!高かった血圧も正常化

朝食をトマト1個にして2カ月後、最大血圧が125mmHg程度と正常範囲内で落ち着くようになりました。降圧剤を飲んでいても下がらなかった血圧が、トマトを毎朝食べているだけでこんなにあっさりと下がるのかと、びっくりしました。【体験談】仁科敏子(仮名・無職・83歳)


【脳の活性化効果】脳の血流がアップ「ニンニク油」基本の作り方

【脳の活性化効果】脳の血流がアップ「ニンニク油」基本の作り方

脳の血流を上げるニンニク油は、ニンニクとオリーブ油だけで作れます。ここで紹介する量と手順で作れば、食べたあとニンニクのにおいはほとんど気になりません。脳の働きがよくなり、勉強の効果アップにも! ぜひお試しください。【監修】篠浦伸禎(都立駒込病院脳神経外科部長)【料理】古澤靖子


【脳を活性化】認知症・物忘れを予防する「ニンニク油」の活用レシピ5

【脳を活性化】認知症・物忘れを予防する「ニンニク油」の活用レシピ5

ニンニク油の有効成分であるアホエンは、直接、火にかけるなどで高温になると壊れてしまいます。ここで紹介するレシピは、どれもおいしくて、アホエンがしっかりとれる料理です。ニンニク油の風味を堪能しましょう。【監修】篠浦伸禎(都立駒込病院脳神経外科部長)【料理・レシピ考案・スタイリング】古澤靖子


【認知症・物忘れを改善】ニンニク油で脳を活性化すると脳外科医が太鼓判

【認知症・物忘れを改善】ニンニク油で脳を活性化すると脳外科医が太鼓判

ニンニク油は、脳の健康維持や生活習慣病の予防など、さまざまな効果を期待できるすぐれた食品です。ニンニクとオリーブオイルだけで手作りできるので、安価で手軽に続けられます。患者さんにお勧めしたところ、頭痛、めまい、高血圧などが改善した例が少なくありません。【解説】篠浦伸禎(都立駒込病院脳神経外科部長)


最新の投稿


【体験談】全身の蕁麻疹が改善した!デトックス作用がある“足指の間”を押したらきれいに消えた

【体験談】全身の蕁麻疹が改善した!デトックス作用がある“足指の間”を押したらきれいに消えた

私の体に異変が起きたのは、昨年7月のことです。半袖から見えている腕の毛穴という毛穴に、じんましんが出ていたのです。松森先生は「足の第2指と第3指の骨の間を押すといい」と教えてくださいました。1回にかかる時間は数分程度です。仕事の合間に、3〜4回はやったと思います。【体験談】佐藤友子(仮名・会社員・47歳)


歯周病の原因【ドライマウス】は唾液が十分でもなるってホント?昆布出汁を使った対策とは

歯周病の原因【ドライマウス】は唾液が十分でもなるってホント?昆布出汁を使った対策とは

「朝起きるといつも口が苦い」「舌がヒリヒリして痛い」「口の中がベタベタする」「物が飲み込みづらい」「味がわからない」このような症状がある人は、「ドライマウス」という病気かもしれません。ドライマウスとは、唾液の分泌量が減って、口の中が乾燥する病気です。【解説】笹野高嗣(東北大学大学院歯学研究科教授)


【ブーム間違いなし】ダイエット効果抜群「レモンコーヒー」で“長寿ホルモン”が増え認知症も予防できる

【ブーム間違いなし】ダイエット効果抜群「レモンコーヒー」で“長寿ホルモン”が増え認知症も予防できる

イタリアやロシアなどのヨーロッパ諸国で愛飲されている「レモンコーヒー」に、なんとも多様な健康効果があると判明!日本でも近々、ブームとなること間違いなし?医師、大学教授、管理栄養士が、その魅力を語ります。“魅惑の味”を、ぜひお試しください。【解説】安中千絵(医療管理栄養士)


【きくち体操とは】糖尿病が改善した!脳梗塞後のリハビリにも効果 脳と体をつなげる足指の体操

【きくち体操とは】糖尿病が改善した!脳梗塞後のリハビリにも効果 脳と体をつなげる足指の体操

「きくち体操」は鍛える体操ではありません。自分の体に意識を向け、体の変化を感じ取り、体を育てる体操です。体の感覚や変化を感じ取り、体を意識して丁寧に動かせば、体と脳がしっかりつながり、動ける体が育っていくのです。【解説】菊池和子(「きくち体操」創始者)


【きくち体操の効果】腰痛 肩こりが改善!足の指を動かす簡単運動で全身の血流がアップ!

【きくち体操の効果】腰痛 肩こりが改善!足の指を動かす簡単運動で全身の血流がアップ!

まずチェック項目で自分の足の指がどんな状態かチェックしてみましょう。はだしになって、自分の足の指をよーく見てください。足の指をチェックして気になる項目があっても、あきらめることはありません。「きくち体操」でこれから足の指を育てていけばよいのです。【解説】菊池和子(「きくち体操」創始者】