医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営

【シナモンの効能効果】毛細血管を修復し血圧、血糖値を下げる作用 コーヒーに入れて摂取

【シナモンの効能効果】毛細血管を修復し血圧、血糖値を下げる作用 コーヒーに入れて摂取

シナモン(桂皮)には毛細血管の老化や障害を抑制する作用があります。血圧や血糖値を下げる効果も期待できます。内臓脂肪型の肥満で、高血圧や高血糖、脂質異常症を合併しているメタボの方にお勧めです。ただし取りすぎは禁物。摂取量は1日10g以上は取らないようにしてください。【解説】高倉伸幸(大阪大学微生物研究所情報伝達分野教授)


60代になると毛細血管が30%も減る!

お菓子作りなどによく使われるシナモンは、香辛料のなかでも、比較的身近な物として知られているのではないでしょうか。

実はこのシナモン、「桂皮」という名称で、古くから漢方薬の材料に使われてきました。
そして、その健康効果は、近年の研究で明らかになっているのです。

私たちの研究室では、シナモンに、毛細血管の老化や障害を抑制する作用があることを突き止めました。
毛細血管の老化や障害を抑えることができれば、滞った血流を回復させ、高くなった血圧を下げる効果が期待できます。

そのメカニズムについて、説明しましょう。

血管は、血管内皮細胞と、それを覆う壁細胞の二層構造になっています。
この二層構造がきちんと維持されていれば、血流は保たれ、体の隅々まで血液が行き渡ります。

ところが、年を取ると、血管内皮細胞と壁細胞の接着が弱くなり、はがれやすくなります。
壁細胞がはがれると、血管は管状の構造を保てなくなり、いびつになって、血管内皮細胞にすきまができます。

そこから血液が漏れ出すことによって、血流は途絶えてしまうのです。

血流が途絶えると、その先の毛細血管は退化して、機能しなくなります。
60代になると、20代のころに比べて、毛細血管は約30%も減少することがわかっています。

私たちの体の血管は、99%が毛細血管です。
その毛細血管が減ってしまうと、血液が隅々まで行き渡らなくなります。
すると、血液を十分供給しようとして、心臓がポンプ力を強め、血圧が高くなるのです。

また、血液が途中で漏れ出すことで、むくみも起こります。
むくみは、見た目の問題だけでなく、血管の状態を表す重要なサインなのです。

以上のことから、血管内皮細胞と壁細胞の二層構造をきちんと維持することが、血流を保ち、高血圧を防ぐことにつながることがわかります。

1日に0.6g週2回程度とればOK

さて、血管内皮細胞と壁細胞の二層構造を維持するために、ポイントとなるのは、血管内皮細胞に存在する「Tie2」です。
Tie2が活性化すれば、血管内皮細胞の細胞どうしや、血管内皮細胞と壁細胞の接着が、強くなることがわかっています。

それによって、血管の構造は安定し、血液が漏れ出したり、血流が悪くなったりするのを防げるのです。
Tie2を活性化する「アンジオポエチン1」という物質を、高血圧になる遺伝子を組み込んだ実験用マウスに投与すると、毛細血管の構造が保たれ、血圧は上がらなかったという研究も報告されています。

そこで私たちは、Tie2の活性を上げる天然由来の物質を探すため、多くの植物エキスを調べました。
その結果、シナモンに、Tie2の活性を高める作用があることが判明したのです。

実際、10数人のかたにシナモンを摂取してもらった試験では、むくみが改善したという報告を得ました。
これはつまり、シナモンがTie2を活性して血管が修復され、血液の漏れが防止できたことを意味しています。

なお、組織が修復する際、血管新生というしくみが働きます。
血管の細胞が修復されて血流が戻ると、その血管はまた新たに先へ先へと伸びていくのです。
退化した血管も再生するということです。

それでは、血管を修復し、途絶えた血流を改善するには、シナモンをどのくらい摂取すればよいのでしょうか。

私たちの実験結果から類推すると、シナモンパウダーで、1日0.6g、週2回とるとよいと考えられます。
漢方薬の桂皮を摂取してもかまいません。
この場合も、1日0.6g程度で十分な効果を期待できます。

とり方は自由です。
食べやすい方法で摂取してください。
カレーに混ぜたり、コーヒーやバナナ、トーストに振りかけたりしてもよいでしょう。

ただし、とり過ぎは禁物です。
シナモンには、過剰に摂取すると肝障害を起こす物質が含まれています。
1日10g以上はとらないでください。

一般のかたを対象にした臨床試験では、毎日シナモンをとって、運動も行ったところ、1週間で血管の状態がかなり改善するという結果が得られました。

実際の生活では、前述したとおり、1日0.6gのシナモンを週2回とれば、効果が期待できるでしょう。
むくみが気になるかたや、血圧が高めのかた、高血圧と診断されて薬を服用中のかたも、ぜひ試してください。

シナモンには、血管を修復して血流を回復させる作用だけでなく、血管拡張作用があることも知られています。
その両方の効果によって、血圧が下がる可能性は、かなり高いといえるのです。

さらに、シナモンには、血糖値を下げる効果があることも確認されています。
内臓脂肪型の肥満で、高血圧や高血糖、脂質異常症を合併している、いわゆるメタボリックシンドロームのかたには、特にお勧めです。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

関連する投稿


立っていられない重度めまいに「耳の穴もみ」が効果!気持ちも血圧も安定した

立っていられない重度めまいに「耳の穴もみ」が効果!気持ちも血圧も安定した

5~6年前から、ときどき軽いめまいが起こるようになりました。3月のある日、それまでにない強いめまいが起こりました。「これはちょっと違う」と血圧計を引っ張り出して測ってみたところ、最大血圧が165mmHg、最小血圧も105mmHgもあったのです。【体験談】佐川佳那子(仮名・主婦・62歳)


頭皮の状態はゆるゆる? カチカチ? ほぐして脳疲労を取る「頭皮セラピー」とは

頭皮の状態はゆるゆる? カチカチ? ほぐして脳疲労を取る「頭皮セラピー」とは

ストレスがたまったり、体調を崩したりすると、頭は体からのサインを受け取れなくなります。また、肉体周囲からの情報も受け取れなくなります。すると、頭皮がむくんでブヨブヨになったり、過緊張による血行不良でカチカチになったり、頭に状態が現れるようになるのです。【解説】長田夏哉(田園調布長田整形外科院長)


高血圧の予防・改善に「キュウリ」が効果 目安は3本 よく噛んで食べるとよい

高血圧の予防・改善に「キュウリ」が効果 目安は3本 よく噛んで食べるとよい

キュウリは、ビタミン・ミネラル・食物繊維などを含んでいます。なかでも注目すべきは、高血圧の予防・改善に有効な三つの成分が含まれていることです。キュウリは血圧降下成分と、ダイエット効果の二重の作用で高血圧の予防・改善が期待できるというわけです。食べ方のコツは、よく嚙んで食べることです。【解説】工藤孝文(工藤内科副院長)


【かかと落とし】は認知症予防に有効 毛細血管のゴースト化を防ぐ!

【かかと落とし】は認知症予防に有効 毛細血管のゴースト化を防ぐ!

認知症予防に役立つのが、足の筋肉を鍛えることです。両足のかかとをリズミカルに上げ下げする「かかと落とし」は、ふくらはぎの筋肉を鍛えるのに有効です。さらに、毛細血管のゴースト化を防ぐこともわかっています。【解説】伊賀瀬道也(愛媛大学大学院老年神経総合診療内科特任教授・愛媛大学附属病院抗加齢・予防医療センター長)


【更年期の高血圧】血圧急上昇に慌てるな!降圧剤に頼らず改善も可能

【更年期の高血圧】血圧急上昇に慌てるな!降圧剤に頼らず改善も可能

更年期女性の高血圧に対する治療でいちばん重要なのは、生活指導です。更年期の患者さんの多くは、ホルモンバランスが不安定になっていることに加え、子供の自立、親の介護、夫の定年退職など、環境が激変する中で、自律神経の失調状態が起こっているケースが少なくありません。【解説】天野惠子(静風荘病院女性外来特別顧問・循環器内科医師)


最新の投稿


ラジオを聞けば【認知症予防】になる!聞く力を鍛える「ながらラジオ」のススメ

ラジオを聞けば【認知症予防】になる!聞く力を鍛える「ながらラジオ」のススメ

脳は機能別に、聴覚、運動、伝達、感情、思考、視覚、理解、記憶の八つに大別できます。それを私は「脳番地」と呼んでいます。ラジオは注意を向けて聞こうとするだけで聴覚系脳番地が鍛えられます。それが楽しく聞けていれば理解系や記憶系の脳番地もいっしょに鍛えることができます。【解説】加藤俊徳(加藤プラチナクリニック院長)


むくみ・だるさに即効!エステのゴッドハンドのふくらはぎマッサージのやり方

むくみ・だるさに即効!エステのゴッドハンドのふくらはぎマッサージのやり方

まずは、リンパ管とリンパ節の「お掃除」から始めるのがポイントです。ふくらはぎをゆっくり押すことで、血液やリンパ液が一度止まり、ゆっくり離すことで、ドッと勢いよく流れ出します。その流れに乗せて、一気に老廃物を流し、リンパ管の詰まりを取るのが目的です。【解説】岩谷恭子(カスタリア代表・エステティシャン)


ぜい肉を落とすなら筋肉は鍛えず「緩める」といい!「足の指回し」の効果

ぜい肉を落とすなら筋肉は鍛えず「緩める」といい!「足の指回し」の効果

足の指のこわばりをほぐし、足裏の三つのアーチを使って立てるようになれば、「がんばるところ」と「使わないところ」がなくなります。全身がほどよく緩み、すべての筋肉を正しく使えるようになって、スリムで美しい体形に自然と変わっていくのです。【解説】YUKARI(品格ボディアドバイザー・足の指まわし協会代表)


塩分ゼロなのに美味しい!高血圧や腎臓病でも安心!「無塩梅干し」の作り方

塩分ゼロなのに美味しい!高血圧や腎臓病でも安心!「無塩梅干し」の作り方

梅干しを家庭で漬けなくなった大きな理由は、なにより手間暇がかかること、そして減塩志向の高まりによるものと思われます。そこで紹介したいのが私の考案した「無塩梅干し」です。塩に漬ける工程がないので塩分量はゼロ。しかもたった1日で作れる、魔法のような梅干しなのです。【解説】小島みち子(料理研究家)


酢玉ねぎと紫玉ねぎでヘモグロビンA1cが下がり中性脂肪値も激減

酢玉ねぎと紫玉ねぎでヘモグロビンA1cが下がり中性脂肪値も激減

私は酢玉ねぎを作る際、最初から味が調えてある「調味酢」を買って使っています。薄くスライスした玉ねぎを調味酢に半日ほど漬けるだけなので簡単です。食べ始めて2カ月の検査で血糖値が下がり効果を実感!また、酢玉ねぎに加え、紫玉ねぎも食べるようにしたところ体調がさらによくなりました。【体験談】今枝紀代子(主婦・70歳)