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咳や痰が出る 息苦しさをツボ刺激マッサージで改善!

咳や痰が出る 息苦しさをツボ刺激マッサージで改善!

長く続くセキや息苦しさなど、今ある苦しい状態をすぐに緩和させたいとき、胸ほぐしマッサージはとても役立ちます。息苦しい、咳や痰が止まらないなどの症状が現れたときに、ぜひ実践してみてください。【解説者】芝山豊和(芝山鍼灸整骨院院長)

「胸ほぐし」は呼吸器系症状の緩和におすすめ!

呼吸器系症状の緩和に、私がお勧めするのは、「胸ほぐし」です。
これは、私が治療に取り入れている「チクチク(無血刺絡)療法」の一部を、患者さんが自分でできるように、アレンジしたものです。

チクチク療法は、先端のとがった器具で、皮膚に痛覚刺激を与える治療法です。
和歌山のナガタクリニック院長・長田裕先生により、13年ほど前に考案されました。

鍼灸の針などの、チクンとした痛みは、自律神経のうちの副交感神経を優位にすることが、研究で明らかになっています。
副交感神経が優位になると、免疫力が向上するので、治療効果が上がります。

刺激する部位は、東洋医学のツボに当たる箇所もあります。
しかし、もともと脳神経外科医である長田先生は、ツボに加え、皮膚上で、脳と脊髄の知覚神経がつながる、独自の治療ポイントを導き出しました。

そこを刺激すると、患部に副交感反応が現れます。
すると血流が改善し、筋肉の緊張が緩むため、痛みやしびれなどの症状改善に役立つのです。

2万5000の症例から発見した治療ポイント

私は2005年から、長田先生のもとでチクチク療法を学び実践してきました。
10年余りのうちにチクチク療法で治療した新規症例は、2万5000例に上ります。

そして研究を重ね、よりよい箇所を探るうちに、新たな治療ポイントを発見。
その一つが、長田先生により「チェストパート」と名づけられた部位です。

この部位への刺激で改善できるのは、主に、呼吸器系の症状です。
チェストパートを刺激すると、こり固まっていた呼吸筋の血流が改善し、筋肉の緊張が緩みます。

それにより、横隔膜の機能が活性化するので、呼吸がしやすくなり、呼吸器系の症状に効果が出ると考えています。
この、治療で行うチェストパートへの刺激を家庭でもできるようにしたのが、今回紹介する、胸ほぐしというわけです。

チクチク療法を行う際は、通常、先のとがった器具などを使います。
チクンとした痛みの刺激を皮膚に与えることが重要だからです。

しかし、胸ほぐしは、指先で押すだけでも十分効果があります。
「痛気持ちいい」と感じる強さでグーッと押し込み、小刻みに指先を動かしながら、胸をほぐすようなイメージで行ってください(やり方は次項の『胸ほぐしのやり方』参照)。

1セットにかかる時間は1~2分程度です。

胸ほぐしのやり方

刺激する部位

やり方

※症状があるときに行う。
※薄手のシャツなら着たままでよい。

(1)
左肩のAに右手の指先を当て、10回、グーッと押す。右肩のAも、左手の指先で10回、同様に押す。

(2)
右手の指先を、右側のBの最上部に置く。左側も同様に置く。骨際のくぼみに合わせて指先を広げ、指先を小刻みに動かしながら押す。指の位置を上から下に少しずつ動かしながら行う。

(3)
左右の指先を合わせるようにして、Cの最上部に置く。指先を小刻みに動かしながら押す。指の位置を上から下に少しずつ動かしながら行う。

★(1)~(3)を1セットとし、3セット行う。

胸の痛みや止まらないしゃっくりにも有効!

では、症状が改善した例をご紹介しましょう。

48歳の女性は、セキが止まらなくなりました。
当初はカゼによるものかと思いましたが、ゼロゼロした喘鳴といわれる音が出るようになり、息苦しいので病院を受診したところ、「セキぜんそく」と診断されました。

私のところでチェストパートを中心に刺激し、胸ほぐしを指導したところ、2週間でセキは止まり、喘鳴が改善。
呼吸も楽になりました。

52歳の女性は、逆流性食道炎と診断されました。
のどがつかえる感じがあり、息苦しく、声のかすれにも悩んでいました。

ところが、わずか2回のチェストパートへの刺激と胸ほぐしで、声がかすれなくなりました。
のどが通り、息もしっかり吸えるようになったのです。

そのほか、カゼによるのどのイガイガ感や痛み、胸の痛み、インフルエンザによる急性肺炎の呼吸困難、胸部打撲による呼吸障害、止まらないしゃっくりなどにも有効です。
胸や肩周りの筋肉が緩み、ほぐれるので、肩こりやネコ背の改善にも効果を認めています。

もちろん、これだけで症状が治るわけではありません。
患者さんには、チクチク療法の基本治療や、養生法と食事の指導も併せて行っています。

とはいえ、長く続くセキや息苦しさなど、今ある苦しい状態をすぐに緩和させたいとき、胸ほぐしはとても役立ちます。
息苦しい、セキが止まらないなどの症状が現れたときに、ぜひ実践してみてください。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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