足底筋膜炎などの足裏の痛み 治し方は  "足裏とアキレス腱" を温めること

足底筋膜炎などの足裏の痛み 治し方は "足裏とアキレス腱" を温めること

中高年になると、足裏・足底部・踵などに痛みが生じる足底筋膜炎(足底腱膜炎)の症状に悩む人が増えます。加齢でアキレス腱が硬くなったことが原因の一つです。ひざ痛、腰痛、股関節痛の原因となるケースもあります。若々しさはアキレス腱に現れます。対策は、アキレス腱を温めることです。【解説】伊藤史子(あやこいとうクリニック院長)


足の裏に痛みが起こる足底筋膜炎や、ひざ痛などの原因の一つはアキレス腱がかたくなること

アキレス腱という言葉は、「唯一の弱点」「致命的な場所」という意味で、よく使われます。
実際、アキレス腱が断裂した直後は、一人では歩けないほどのダメージを受けます。
ですから、日ごろから大事にしてほしい部位なのです。

アキレス腱は、ふくらはぎにある腓腹筋とヒラメ筋を、かかとの骨に付着させる腱で、約15㎝あります。
人体のなかで、最も強靭な腱といわれます。
ところが、中高年になると、アキレス腱の障害が起こりやすくなります。

アキレス腱の断裂だけでなく、足の裏に痛みが起こる足底筋膜炎や、ひざ痛、腰痛、股関節痛などの原因の一つに、アキレス腱がかたくなることが挙げられます。

アキレス腱が冷えてかたくなると危ない!

アキレス腱は、ストリングチーズ(裂けるチーズ)のような組織です。

本来は水分を多く含み、伸縮性と柔軟性に富んでいますが、加齢に伴って乾燥してきます。
特に、寒い冬は血流が不足し、組織がかたくなりがちです。

このため、中高年のかたは、横断歩道で急に走ったり、子供の運動会でハッスルしたりしたときに、ブチッとアキレス腱が切れるケースがあるのです。
前述したように、アキレス腱は独立した組織ではなく、ひざから伸びる筋肉と、かかとの骨をつないでいます。

このため、アキレス腱がかたくなって縮まると、かかとの骨が後ろ上方向へ引っ張られ、かかとや足底に痛みが生じるのです
転倒や寝たきりの原因として、ひざ痛や腰痛、股関節痛が挙げられます。

しかし、実際には、足首から先の痛みや不具合も、大きな要因となります。
アキレス腱がかたくなると、つま先が上がらなくなり、つまずくことがふえます。

また、かかとや土踏まずに痛みが生じる足底筋膜炎になると、まっすぐ立つのが難しくなるため、全身の関節に負担がかかり、ひざ痛や股関節痛、腰痛を引き起こします。
そればかりか、バランスをくずしやすくなり、転倒や骨折を招く恐れもあります。

二つの筋肉をほぐしてアキレス腱を温めよ!

元気に歩ける体を維持するために、心がけていただきたいのが、アキレス腱を温めることです。
温まった腱は、伸びたり縮んだりしやすくなります。その結果、断裂などのケガを予防できるだけでなく、つまずきや転倒も防ぐことができます。

アキレス腱を温める方法としては、お湯に足をつける足浴や、足の裏用のカイロもいいでしょう。
足の裏は血流量が多いので、カイロを当てて温まった血液が、アキレス腱に効率よく運ばれ、ほどよく温まります。

また、日ごろから、靴下やレッグウォーマーなどでアキレス腱を覆い、冷やさない工夫をするといいでしょう。
もう一つ、ぜひ取り組んでいただきたいのが、アキレス腱を伸ばす2種類のストレッチです。

アキレス腱を温める方法はストレッチ、覆う、使い捨てカイロなど

毎日の習慣にしたいアキレス腱のストレッチ

実は、これこそがアキレス腱を温める最も手軽な方法なのです。
よく知られているのは、足を後ろに引いてアキレス腱を伸ばすストレッチでしょう。

これは、ふくらはぎを構成する腓腹筋を伸ばし、血行をよくする効果があります。
これに加え、片ひざの上にしゃがみ、前方に体重をのせるストレッチも行ってください。

ふくらはぎの奥にあるもう一つの筋肉、ヒラメ筋も伸ばしてほしいのです。
アキレス腱は、腓腹筋とヒラメ筋の停止部です。

ですから、二つの筋肉が両方ともストレッチされないと、アキレス腱の柔軟性が高まらず、機能をじゅうぶんに発揮できません。
アキレス腱のストレッチは、スポーツの前だけでなく、毎日の習慣にしてください。

しゃがんで靴をはくときに、体重を前にかければ、ヒラメ筋が伸びます。
そして、靴をはく前か後に、足を後ろに引くストレッチを数回くり返せば、腓腹筋も伸び、アキレス腱が温まります。

アキレス腱を温める習慣を身につけて、柔軟性を保つことは、若さと健康を維持する秘訣でもあります。
いつまでも自分の足で歩くことができるように、今日から早速、アキレス腱のケアを始めましょう。

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

この健康情報のエディター

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