解説者のプロフィール

山口麻子
白金ビューティフルエイジングクリニック院長。
1971年、東京都生まれ。
1997年、日本大学医学部卒業後、日赤医療センターにて研修。
2000年より北里研究所病院美容医学センターにて美容医療に携わり、シンプルスキンケアに開眼する。
06年に、白金ビューティフルエイジングクリニック(東京都港区)を開院。
著書に、『化粧品に頼らない素肌美人のつくりかた』(主婦と生活社)がある。
●白金ビューティフルエイジングクリニック
東京都港区白金6-6-1マンション芝白金301号
TEL 03-5791-4800
https://www.s-bac.com/
化粧品もシャンプーも使わないほうがいい
私がお湯だけで髪を洗う「お湯だけ洗髪」を始めたのは、今から6年前の6月です。
私はそもそも、美容クリームや化粧水、乳液など、基礎化粧品も使っていません。
驚く人もいるかもしれませんが、口紅を除くメイクと化粧品をやめ、洗顔も水で洗うだけなのです。
私の前の職場は、美容医学を中心に取り組む北里研究所病院美容医学センターです。
そこのセンター長であった宇津木龍一先生が提唱する「(余計な化粧品を)つけない、(皮膚を)こすらない、洗い過ぎない」スキンケア法を知り、今から16年前、28歳から始めました。
このスキンケア法を始めてから気付いたことは、今までの自分のスキンケアの過剰ぶりです。
乾燥肌が治り、ファンデーションを付けずとも素肌に自信が持てるようになりました。
まゆのお手入れをやめたら、まゆ毛も生えてきたのです。
多くの女性にとって、化粧品をスパッとやめることは抵抗感があると思います。
しかし、肌が本来持っている回復力を信じ、勇気を出してやめてしまえば、その先にはとても快適な生活が待っています。
自然食材中心の食生活に慣れると、加工食品をおいしくないと感じます。
それと同様、皮膚に化粧品を付けないことに慣れると、化学的な何かを付けると不快に思うようになるのです。
そんな経験があったため、私の場合にはお湯だけ洗髪もそれほど抵抗なく始められました。
化粧品もシャンプーも、食品添加物も「化学物質」であり、本来、人体にとって毒です。
使わないで済むのであれば、それに越したことはありません。
不要なものを削ってシンプルに、美と健康の維持を身をもって証明することが、私の公私にわたる人生のテーマでもあります。
「お湯だけ洗髪」で髪の毛が若返って美容師も驚いた
暑くなると、毛穴の皮脂腺から出る皮脂の分泌量が増えます。
私は梅雨にお湯だけ洗髪を始めたため、当初は頭皮のべたつきに悩まされました。
正直、シャンプーしたいと思うこともありましたが、気合と根性で夏を乗り切ると、4ヵ月がたった10月ころから頭皮の状態が急激によくなりました。
指で触ってもまったくベタつかず、髪もサラサラになりました。
しかも、髪は1本1本がコシが出て太くなり、根元から立ってボリュームが出るようになったのです。
さらに、髪が黒々と太くなりました。
「染めているの?」とよく言われるほど赤茶色だった髪の色が、今では真っ黒です。
白髪を染める必要もなく、たいへん満足しています。
10年来お世話になっている美容師さんからも、「すごくよくなりましたね。ヘアケアに対する考え方が、私も変わりました」と驚かれました。
「お湯だけ洗髪」のやり方
シャンプーを完全にやめ、お湯だけ洗髪を続けていくにはコツがあります。
私のやり方は、下の図です。男性ならば、お湯だけ洗髪はシャワーだけで済ませても十分だと思います。

髪の長さがセミロング以上の女性は、お湯に浸してからシャワーで洗ったほうが、汚れが落ちやすいでしょう。
洗髪後は、タオルドライが基本です。
私はドライヤーを使わず、半乾きのところにカーラーを巻きます。
すると、スタイリング剤がなくても、らくにフワッと仕上がります。
薄毛のご主人に勧めたら髪の毛がフサフサになった
私のクリニックに来院される女性の患者さんは、ご主人にもお湯だけ洗髪を勧める人がいらっしゃいます。
ご主人がお湯だけ洗髪を開始したところ、薄毛が改善し、若いころのように髪の毛がフサフサに戻ったという報告を何件も受けました。
その証拠のようにスマホで撮ったご主人の頭部写真を見せていただき、私も驚きました。
お湯だけ洗髪の最大のメリットは、とにかくらくで気持ちがいいことです。
体も髪もお湯で流せば終わりなので、時間もかかりません。
以前は、1日髪を洗わないと髪のべたつきやにおいが気になったものですが、お湯だけ洗髪にしてからはそれもありません。
ちなみに、私のクリニックのスタッフは全員、お湯だけ洗髪です。
それでにおいが気になったことは、ありません。
シャンプーをスパッとやめることに抵抗があるのならば、シャンプーの回数を減らすとよいでしょう。
何より、お湯だけ洗髪の快適さ、気持ちよさを、知っていただきたいと思います。