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【舌診のポイント】舌をよく噛む、舌につく歯の跡の原因は?危険な舌の色は?

【舌診のポイント】舌をよく噛む、舌につく歯の跡の原因は?危険な舌の色は?

デコボコのついた舌を、漢方では「歯痕舌」といいます。この舌のむくみは、胃腸の水はけが悪く、水びたしになっている状態が舌に現れたもので、食べすぎや飲みすぎで胃腸が疲れている状態です。舌苔は、舌の粘膜を保護するという役目もありますから、ほどほどには必要です。【解説】平地治美(和光治療院・漢方薬局薬剤師・鍼灸師)

【お悩み】舌の縁に歯形がつく


舌の縁が歯の形にデコボコしています。また、いつも舌の同じところを嚙んでしまいます。
若い頃はそんなことはなかったのに、これはどういうことでしょうか。
舌にできる白い苔も気になります。改善する方法を教えてください。
(60代・女性)

回答者のプロフィール

平地治美(ひらぢ・はるみ)
和光治療院・漢方薬局薬剤師・鍼灸師。
●和光漢方薬局
http://www.kigusuri.com/shop/wakou/index.html
●平地治美の漢方ブログ
https://blog.goo.ne.jp/harumi4567

明治薬科大学卒業後、漢方薬局勤務を経て東洋鍼灸専門学校へ入学し鍼灸を学ぶ。和光治療院・漢方薬局代表。千葉大学医学部医学院非常勤講師、京都大学伝統医療文化研究班員。著書『舌を、見る、動かす、食べるで健康になる!』、『さわれば分かる腹診入門』
(ともに日貿出版)が好評発売中。

舌は内臓の今の状態を教えてくれる

東洋医学では、舌を非常に重視しており、舌を診て体調を診断する「舌診」という診断法があります。
舌は腸や胃の先端についていて、内臓と直接つながっていると考えられています。つまり、舌は内臓の先端だから、舌を見れば内臓の状態を教えてくれると考えられているのです。

ご相談にあるようなデコボコのついた舌を、漢方では「歯痕舌」といいます。舌がむくんで大きくなり、歯に押し付けられて歯の痕がついてしまうのです。舌が大きくても、ブヨブヨしていなければ歯形はつきません。

この舌のむくみは、胃腸の水はけが悪く、水びたしになっている状態が舌に現れたもので、漢方でいう「水毒」という症状です。

歯痕舌から考えられるのは、食べすぎや飲みすぎで胃腸が疲れている状態です。
とくに冷たい物や甘い物は、どちらも体の中に水を引き込んで、水を貯めやすくします。それが胃腸の水はけを悪くして、冷えやむくみの原因になります。

また、冷たい物や甘い物をとらなくても、加齢とともに胃腸の働きが弱くなって、歯痕舌になる人もいます。ご相談者さまも、少し胃腸が疲れているのかもしれません。

舌は内臓の先っぽ!

胃腸の水はけをよくすること

次に、いつも舌の同じところを嚙んでしまうということですが、舌がむくんでいると舌を嚙みやすくなります。

舌のむくみを取るには、胃腸の水はけをよくすることです。それには、アズキの煮汁をとるといいでしょう。アズキの煮汁には、余分な水を排出してむくみを取る作用があります。
ちなみに、アズキではなく「煮た汁」ですから、アズキを煮たら汁ごと食べましょう。アズキ茶やアズキのスープもお勧めです。
そのほか、ソラマメ、インゲン、エンドウなどの豆類、トウモロコシ、キュウリ、トウガン、スイカなど夏の野菜や果物も利水(水の配分を調整する作用)に優れています。

今年のような猛暑の夏は、例年以上に冷たい物や水分をとりすぎて胃腸に負担がかかっています。
舌がデコボコしていたら、胃腸が冷えて弱っているサイン。利水作用のある野菜を上手に利用して、胃腸をいたわってあげましょう。

余談になりますが、中には、舌が右や左に曲がっているため嚙んでしまうケースもあります。これは、脳梗塞のような大きな病気の前ぶれの場合もあるので、注意が必要です。

舌がむくんでいる人がいる一方で、舌がカラカラにひび割れている人もいます。これは体に熱がこもっていて、胃腸が水不足の状態ですから、体を潤わせる養生が必要です。
汗をかきすぎないように注意し、塩辛いものを控え、経口補水液などでこまめに水分を補給しましょう。

舌はピンク色でうっすら白い舌苔があるのが理想

このように舌を見るだけで内臓の状態がわかる舌診は、鏡さえあれば誰にでもできます。普段からご自分の舌をよく見て、内臓からのサインを見逃さないようにしましょう。

舌診をするさいのポイントは、舌と、舌の表面を覆っている舌苔の両方を見ることです。

舌苔は、舌の糸状乳頭という突起にたまった食べカスなどで、舌の垢のようなものです。
垢ではありますが、舌の粘膜を保護するという役目もありますから、ほどほどには必要です。理想的な舌は、ほどよいピンク色の舌に、白い舌苔が薄くついている状態です。

食べすぎや飲みすぎで胃腸が疲れると、舌苔は厚くなってきます。その色が黄色から茶色に濃くなるほど、胃腸に熱がこもって、働きが悪くなります。

危険なのは、黒い舌苔です。急に舌苔が黒みがかってきたら、深刻な病気の可能性があります。すぐに病院に行くことをお勧めします。

また舌本体の色は、赤みが強くなるほど体が熱く、白から青みがかってくるほど、体の冷えが強くなります。
舌は、朝、歯磨きの前にチェックするといいでしょう。朝がいちばん舌が自然な状態で、体調が現れやすいからです。

また、ときどき舌もお掃除してください。舌苔がたまると、口臭や誤嚥性肺炎の原因になります。カレースプーンの縁で軽くこすると、余分な舌苔がきれいに取れます。歯ブラシでゴシゴシこするのは禁物です。舌を傷つけてしまいます。

舌診を行うときのポイント

①起床後、すぐ見る
舌診の前に食事をとったり歯磨きをすると、状態が変わってしまうのでその前に行う

②舌と舌の表面を覆う苔を見る
舌の形や色、むくみがないか、舌苔の色や量をチェック

③毎日見るから、違いがわかる
いつもと違うと思ったら、食生活をチェックして、食べすぎや飲みすぎを注意し、甘い物や冷たい物を控える

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

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