MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
脳梗塞や心筋梗塞を予防する、上手な水の飲み方はこれ!

脳梗塞や心筋梗塞を予防する、上手な水の飲み方はこれ!

私たちは毎日、2.5Lもの水を放出しています。尿や便として1.5L、汗が0.5L、吐く息から0.5Lという排出量です。こうして失われた2.5Lの水分は、しっかり補充する必要があります。【解説】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授)

アルカリ性でミネラル分のバランスがいい水を飲む

 私たちは毎日、2.5ℓもの水を放出しています。尿や便として1.5ℓ、汗が0.5ℓ、吐く息から0.5ℓという排出量です。こうして失われた2.5ℓの水分は、しっかり補充する必要があります。

 2.5ℓというと多いように思いますが、食事から1ℓ、たんぱく質や炭水化物、脂肪の燃焼でも0・5ℓ摂取しています。ですから、飲み水としては1ℓ摂取すればいいことになります。夏場には汗をかく量が1ℓくらい増えますから、2ℓの水を飲む必要があります。

 水の飲み方としては、ゆっくりこまめに飲むのがいいでしょう。目安は、コップ1杯を1日に10回。これで1.5〜2ℓの水を摂取することができ、体が水不足になることもなく、新陳代謝も活発になります。
 おいしく水を飲むには、温度もたいせつです。夏場はやはり冷たいほうがいいですが、冷たすぎると体を冷やしてしまいます。ですから、やや冷たいくらいの7、8℃が適温です。

 体にとってよい水の条件は、まずアルカリ性であることです。体は疲れると酸性に傾くので、それを中性に戻すにはアルカリ性がいいのです。また、ミネラル分がバランスよく含まれていることも、たいせつだと言えます。
 南フランスのピレネー山脈の麓で湧き出ている「ルルドの水」のように、世界で長生きの水と言われる水の多くは、アルカリ性でミネラル分、特にカルシウムが豊富であることが明らかになっています。

脳梗塞や心筋梗塞を防ぐカルシウムが豊富な水

 血管の若さを保つためにも、水はたいせつな働きをします。動脈硬化を防ぎ、脳梗塞や心筋梗塞になるリスクを低くするには、カルシウムを豊富に含んでいるアルカリ性の水がお勧めです。

 体はカルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンによるSOS信号を出し、骨や歯に含まれるカルシウムが血液中に溶け出して、不足した分を補います。血液中のカルシウム分がじゅうぶんな量になると、SOSの信号は止まります。
 ところが、信号が止まらずに、血液中のカルシウムが増えすぎてしまうことがあります。
 すると、血管壁に余分なカルシウムが付着して動脈硬化を起こし、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなるわけです。

 ふだんからカルシウム分を多く含んだ水を飲んでいれば、血液中のカルシウム分は適量に保たれます。そうすると、SOS信号を出す必要がなくなり、血液中に増えたカルシウムが血管壁に付着することもありません。血管が丈夫になり、脳梗塞や心筋梗塞になるリスクも減ることになります。

 また、カルシウムと同様にたいせつなミネラルがマグネシウムです。カルシウムはマグネシウムあってこそ、有効に働くことができるからです。ですから、カルシウムとマグネシウムをバランスよくとれる水を飲むようにしましょう。
 理想的な比率は、カルシウム2に対してマグネシウム1とされています。硬度でいうと、100〜300の硬水がいいと思います。

50代の頃(左)と、現在74歳になる藤田先生(右)。飲み水にこだわって、心身ともにエネルギーが高まり、髪も濃くなった。

寝る前のコップ1杯は「宝水」になる

 脳梗塞や心筋梗塞の予防に効果的な水の飲み方の目安は、起きてすぐにコップ1杯、午前中に1杯、午後に1〜2杯、寝る前に1杯です。

 なかでも、寝る前の1杯がたいせつです。この水は「宝水」と呼ばれますが、その理由は血液の粘度と関係があります。

 寝ている間は、汗や呼吸によって水分が失われ、水分を補給することもできません。その結果、血液の粘度は午前4〜8時くらいに最も高くなります。脳梗塞や心筋梗塞の発作が、早朝や午前中に多く見られるのは、このためです。
 しかし、寝る前にコップ1杯の水を飲んでいれば、血液の粘度が高くなるのを抑えることができます。脳梗塞や心筋梗塞のリスクも下がりますから、まさに宝水だと言えるでしょう。
 皆さんも上手に水を飲み、血管の若さを保って、健康な生活を送っていただきたいと思います。

解説者のプロフィール

藤田紘一郎
1939年生まれ。東京医科歯科大学卒業。東京大学医学系大学院修了、医学博士。金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授、人間総合科学大学教授を経て、現在、東京医科歯科大学名誉教授。専門は感染免疫学、寄生虫学、熱帯医学。1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、小泉賞を受賞。2000年、ヒトATLウイルス感染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。著書に『脳はバカ、腸はかしこい』(三五館)、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和書房)、『体をつくる水、壊す水 10年後に差がつく「水飲み〝腸〟健康法」30の秘訣』(ワニブックス【PLUS】新書)などがある。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連するキーワード
関連記事
これまで、入院患者さん向けの、いわゆる「リハビリ体操」はありましたが、外来の患者さんが希望するような体操はありませんでした。そこで私たちは、血圧を上げる要因である、末梢の「血管抵抗」を減らす筋トレを考案することにしました。【解説】金子操(自治医科大学附属病院リハビリテーションセンター室長・理学療法士)
私は、これまで40年以上、タマネギをはじめとする、ネギ属の機能性成分を研究してきました。そこでタマネギには、確かに血液をサラサラにする働きがあるということが明らかになったのです。【解説】西村弘行(北翔大学・北翔大学短期大学部学長/東海大学名誉教授)
脳梗塞や心筋梗塞の予防には、アディポネクチンというホルモンの分泌が重要です。アディポネクチンには、傷ついた血管を修復し、血管のプラークを抑制する働きがあることがわかっています。さらに、アディポネクチンには、インスリンの働きをよくして、糖尿病を防ぐ働きもあります。【解説】杉岡充爾(すぎおかクリニック院長)
心不全は、体に炎症を起こすサイトカイン(炎症性生理活性物質)の放出が続いている状態といえます。その炎症が運動によって抑制されることが、最近の研究で明確になっています。「かかと落とし」は、その柱の一つとなっている運動です。【解説】牧田茂(埼玉医科大学医学部教授・同大学国際医療センター心臓リハビリテーション科診療部長)
ニンニクは、精力がつくといった強壮作用で知られています。一方で独特なにおいが苦手という人も少なくありません。しかし、ニンニクのにおい成分には、さまざまな健康効果があるのです。私たちは、におい成分の一つであるMATSに「血栓の形成を抑制する働き」があることを突き止めました。【解説】関泰一郎(日本大学生物資源科学部教授)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt