MENU
医療情報を、分かりやすく。健康寿命を、もっと長く。医療メディアのパイオニア・マキノ出版が運営
ホルモンバランスを整える方法は「歩くこと」!

ホルモンバランスを整える方法は「歩くこと」!

女性ホルモンと呼ばれるエストロゲン、男性ホルモンと呼ばれるアンドロゲンは、女性らしさや男性らしさに加え、若さや美しさにも深く関わっています。更年期の体の変化を考えればわかるように、これら性ホルモンのバランスは、体調にも大きく影響します。【解説】徳田安章(東京医科大学皮膚科 名誉教授)

ホルモン分泌が促され皮膚の代謝が改善

 女性ホルモンと呼ばれるエストロゲン、男性ホルモンと呼ばれるアンドロゲンは、女性らしさや男性らしさに加え、若さや美しさにも深く関わっています。更年期の体の変化を考えればわかるように、これら性ホルモンのバランスは、体調にも大きく影響します。

 そして、ホルモンの分泌は歩くことによっても盛んになります。ですから、ウォーキングを楽しむ習慣は、ホルモンバランスの面からみても、健康の維持、増進にとてもよいと言えるでしょう。

 男性ホルモンのアンドロゲンは、主に精巣という男性特有の性腺から分泌され、男らしさを作り出しています。しかし、このホルモンは、女性の卵巣や副腎皮質からも分泌されています。

 よく歩くことでホルモンの分泌が盛んになると、アンドロゲンもスムーズに供給されます。アンドロゲンには、毛根にある皮脂腺(皮脂を分泌する腺)に働きかけて、皮脂の分泌を促す働きもあります。その作用で肌がしっとりするのです。

 皮脂と聞くと、多くの女性が、肌のベタベタやテカリなどのマイナスイメージを抱くかもしれません。しかし、皮脂にはそもそも肌に潤いを与え、美しく整えるというメリットがあります。自分の足でよく歩くことには、隠れた美容効果があるのです。

中年期を過ぎると乾燥肌になりやすい

 皮脂には、肌に潤いを与えるだけでなく、皮膚を守るバリアとしての働きもあります。皮脂の分泌は、年齢とともに減っていくので、特に中高年では、春や秋の乾燥肌に注意が必要です。

 肌の乾燥した状態が続くと、皮膚がざらざらするだけでなく、ひび割れが起こったりしがちです。
 また、皮脂の減少が原因となる皮脂欠乏症(または乾皮症)という病気があります。これは、皮脂が足りないために皮膚が水分を保てなくなり、乾燥してしまうものです。

 皮脂欠乏症の人は、足のかゆみなどに悩まされ、悪化すると湿疹ができたりします。
皮脂の減少は、美容の大敵であるだけでなく、肌の健康上も注意したいシグナルなのです。

 もちろん、若い頃からかさかさ肌に悩まされる人も少なくありません。皮脂欠乏症も、本来は中高年に多い病気でしたが、最近は若い世代にも増えています。
 かさかさ肌が続いている人は、運動不足かもしれません。積極的に歩くことで、体質の改善を考えてもよいのではないでしょうか。

「最近、肌がキレイになったわね」

アトピーの一因となるかさかさ肌を改善

 皮脂のバリヤー機能には、紫外線から皮膚を守る作用もあります。これは、短期的にはシミやそばかすを、長期的には皮膚ガンの発生を防ぐことに役立っています。

 さらに、病原菌やアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が皮膚に付着しても、皮脂の膜の上に乗っているだけなら、簡単に洗い流すことができます。
 ダニ、カビ、花粉など、アレルゲンにはさまざまなものがありますが、その侵入を防いでくれる皮脂は、アレルギー症状の予防にも一役買っているわけです。

 皮膚に生じるアレルギー性疾患としては、アトピー性皮膚炎が代表的です。そして、アトピー肌の大きな特徴は、皮脂が少ないかさかさ肌です。
ですから、皮脂の分泌が盛んになれば、アトピー特有のかさかさ肌をしっとりさせることにもつながります。

 歩いて皮脂の分泌を盛んにすることは、肌にとっていいことずくめだと言えるでしょう。

皮脂の分泌は血管の掃除になる

 皮脂腺から分泌される脂肪が減ると、肌のトラブルの原因になるだけでなく、体にとって別のデメリットも考えられます。
 体内の脂肪分は、ウォーキングなどの運動で燃焼します。歩いて余分な脂肪を燃やすことは、当然、メタボなどの生活習慣病を遠ざけるのに有効です。

 そして、歩けば全身と皮膚の血行がよくなり、新陳代謝が促されます。すると脂肪は、運動するためのエネルギーとして消費されるほか、毛穴を通じて皮脂腺からも排せつされます。

 この皮脂の分泌は、個人差がありますが、一般に1日1~2gと言われます。それほど多くはありませんが、この皮脂の分泌も、内臓や血管の壁にたまった脂肪分を減らすうえで大事な働きです。皮膚からの脂肪の分泌は、健康な脂質代謝(利用と排せつ)の一環でもあるのです。

 おなかやあごに多少脂肪がたまっても、外見が少し気になる程度で、大きな障害はありません。しかし、血管の壁に過剰に脂肪がたまると問題です。血管の老化を示す動脈硬化が進みやすくなるからです。特に心臓を養っている動脈や、脳に張りめぐらされている動脈の壁で動脈硬化が進むと、心臓病や脳卒中を引き起こす危険性が高まってしまいます。

 歩くという運動には、体内の脂肪を燃やして減らすと同時に、皮脂腺から分泌されるべき皮脂の分泌を促すことによって、体を外側からも内側からもきれいにする、素晴らしい効用があるわけです。

解説者のプロフィール

徳田安章
1930年、長野県生まれ。信州大学医学部助教授、東京医科大学教授を経て、その後1994年から長野県松本市で徳田医院院長を務める。著書に、『アトピー性皮膚炎に負けたくない人へ』(東洋出版)、『皮膚と全身』(金原出版)などがある。

この記事のエディター

※これらの記事は、マキノ出版が発行する『壮快』『安心』『ゆほびか』および関連書籍・ムックをもとに、ウェブ用に再構成したものです。記事内の年月日および年齢は、原則として掲載当時のものです。

※これらの記事は、健康関連情報の提供を目的とするものであり、診療・治療行為およびそれに準ずる行為を提供するものではありません。また、特定の健康法のみを推奨したり、効能を保証したりするものでもありません。適切な診断・治療を受けるために、必ずかかりつけの医療機関を受診してください。これらを十分認識したうえで、あくまで参考情報としてご利用ください。

関連記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
これまで、疲労が起きるのは、「エネルギーがなくなるから」「疲労物質が筋肉にたまるから」と考えられてきました。しかし、最新の研究によって、疲労が起きるほんとうの理由は、「自律神経の中枢である、脳がサビつくから」ということが、わかっています。【解説】梶本修身(東京疲労・睡眠クリニック院長)
症状の原因ははっきりとはわかりませんが人工透析を行う人には老若男女問わずよく現れるものです。これに薬で対応しようとすると体にもっと大きな負担がかかってしまいますし、副作用も心配です。少しでも患者さんの体に負担をかけずに症状をやわらげるのに「手のひら押し」が有効だと思っています。【解説】佐藤孝彦(浦安駅前クリニック院長)
東洋医学には五行思想というものがあり、人の体に起きるあらゆることは五臓につながっていると考えられています。涙がすぐに出るのは、「憂い、悲しむ」感情からです。 これは、五臓の中の「肺」の弱りから発する感情です。肺が弱い体質、もしくは肺が弱っているのかもしれません。【解説】田中勝(田中鍼灸指圧治療院院長)
最新記事
熱中症は7月8月の日中に最も多く見られます。熱中症は、乳幼児から高齢者まであらゆる年代で起こる病気です。なかでも高齢者は重症化する場合が多いのです。また服薬や持病のある方も熱中症にかかりやすいリスクがあるといえるでしょう。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
熱中症は私たちの日常生活の中での注意や工夫で予防することができます。たとえば、服装です。また、水分補給についても、実は「水分」だけを補給するのではいけません。そのほかに、エアコン等の空調の使い方のコツなどをご紹介します。【解説】大澤直人(高知大学医学附属病院老年病・循環器内科)
手洗いの時間の目安は、おおよそ30秒。次のような手順で洗っていくと、少なくともそれくらいの時間が必要であることが実感できるでしょう。
新型コロナウイルスには、まだ特効薬やワクチンはなく、感染しないための予防法を徹底することが重要です。自分一人ひとりができる感染症対策のポイントをチェックしてみましょう。
コンブを水に漬けて冷蔵庫で10日ほど発酵させ、乳酸菌と酵母を培養する「コンブ酵母」が話題になっています。コンブ特有のにおいが軽減し、旨みが濃くなるので、そのまま飲んでも、料理に使ってもよし!食生活に取り入れる人が急増中です。コンブ酵母の作り方と、コンブ酵母の活用レシピをご紹介します!【レシピ】COBOウエダ家

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt